当方、飲食店バイト。
こないだ二十台前半くらいの若いお母さんが、四歳くらいの男の子を連れて来店した。
この子供が、注文も取らないうちから店内を走りまわる。
私も一応お母さんに
「危ないですから」
と注意したが、まったく悪びれずに
「ごめんなさーいうちの子元気だからぁー」。
結局、案の定子供は転倒。
子供を助け起こしたりしていると、今まで我関せずだったお母さんが血相変えて走ってきた。
そして子供抱きかかえて
「こんなちっちゃい子がいるの解ってたでしょ!?何で見ててくれなかったの! 大怪我したらどうすんのよ!この店おかしいんじゃないの、店長呼んでよ店長!」
と喚きだした。
そこで、仕方なく店長を呼んでくると…
店長はお母さんの言い分を全部聞いた後、ニコニコしながら
「失礼ですが、小さなお子様を見ているのは保護者であるあなたの役目では
ないでしょうか?今回は怪我も無くて済んだようで何よりですが、今後同じ
ようにしてもし大怪我をしたら、痛いのも泣くのもあなたじゃなくて子供さん
なんです。本当に子供さんが大事なら、こういう場所ではあまりヤンチャを
しないように言い聞かせてあげてはどうですか?」
↑もっと長くて細かかったけど、だいたいこういう内容の事を、口をはさむ
余地も無いくらい滑らかに、かつ優しく言ってのけた。
周りのお客さんから
「そーだそーだ、店長が正しい」
と野次も飛び、お母さんは 顔真っ赤にして
「二度と来てやんない!」
と子供抱えて出て行った。
私としてもスッキリしたし、周りにいたお客さんも「店長かっこいー」と
拍手していたが、当の店長(阿部寛似の32歳)は飄々としたもんで
「来なくて結構コケコッコー」
と呟きながら裏に戻っていった。
ちょっと惚れそうになった。