付き合い三年、結婚五年目で嫁の浮気疑惑(会社の友人からのタレコミ)。
コンスタントに週に三日程怪しい日があったので、興信所を付ける。
しかし付けた途端、嫁の行動が不規則になり、複数回の浮気証拠を押さえるまでに200万かかってしまった。
でも俺的にはいくら掛かっても必ず尻尾を掴むつもりだったので、一切躊躇せず。
内緒でレコーダーセットして嫁に浮気してるだろと追求。
嫁、当然知らぬ存ぜぬ何か勘違いしてない?の波状攻撃。
メッチャキョドってるくせに。
平気で、と言うか俺に嘘をつこうとしてるその姿をみて、一気に感情が萎えた。
つまり、愛情も憎しみも。
「俺がお前にこんな事言うくらいなんだから、その辺よく考えろ」
と言っても知らないの一点張り。
で証拠写真を見せた。
すると今度は卑怯だと言いやがった。
「何が卑怯なんだ?」
「こんな事する前にちゃんと言ってくれれば良かったじゃない!」
「言ったってしらばっくれただろ?」
「そんな事ないよ!」
「でも、お前さっき嘘ついて隠そうとしてたじゃん」
「・・・・・」
「お前がさっき正直に言ってくれれば、こんな写真見せる事はなかったのに」
俺、感情が復活。怒りの感情が。
そこで…
「兎に角離婚する」
「待って」
「待たないけど、言い訳は聞くよ?ほら、言えよ」
「違うの」
「違わない」
「寂しかったから」
「寂しかったら浮気してもいいのか?」
「違うの」
「だから違わないって」
「そうじゃない」
「じゃあ一時間あげるから理路整然と言えるように隣の部屋に閉じこもって考えて来いよ。あと携帯は回収」
嫁、とぼとぼ寝室へ
俺、どんな言い訳考えてくるのか楽しみで仕方なかった。
いや、そうでもして面白おかしく考えるようにしないと、発狂しそうだったから。
30分後…
出てきた嫁は、土下座して謝ってきた。
「ごめんなさい。言い訳はしません。何でもするので離婚だけはしないでください」
「体裁?」
「そんなんじゃない。あなたの事愛してるから」
「愛してたら浮気なんか出来ないよね?お前の愛って、定義は何?」
「・・・・・」
「愛の意味も知らないでそんな言葉使うな」
「ごめんなさい。でもあなたの事が好きなの。離れたくない」
「相手のオヤジとはいつから?」
「一年前です」
「本当に?嘘言ってもバレるんだよ?興信所舐めんなよ?」
「本当です」
その後、キッカケとかいろいろ聞きましたけど、まあテンプレなんで省略。
「相手の男、今電話しろ」
「それは出来ない」
「なんで?」
「奥さんも子供もいるから・・・」
「だから?」
「家庭を壊しちゃう事になるから」
「うちは壊れそうだよね?」
「・・・・・」
「俺、自分ち壊されて黙ってるほどお人好しじゃないよ?」
「ごめんなさい、だけど・・・」
「お前とあいつが二つの家庭を壊したんだろ?」
嫁、ここで大泣き。
「話出来ないほど泣くなら今すぐ追い出すぞ」の一言で必死に堪える嫁。
「もう一度言う。お前、そいつに電話しろ」
「ごめんなさい、許してください」
「分かった。俺よりもそいつを取ると言う事ね。よく分かった」
「違う!そうじゃないの!」
また泣いたので黙って睨みつける。嫁、黙って下向く。
「いずれにしろ、社内での不倫なので、お前の会社の労務管理に問題あるって事だよな」
「ごめんなさい」
「人事に責任取ってもらおう」
「え?」
「男に電話する気ないならもう寝ろ」
その後、一切を無視。
翌日、嫁
「あの、私会社休んだ方がいい?」
「好きにしろ。俺は行くけど。ついでにお前の会社にもな」
嫁に泣きつかれるも、無視して出掛ける。結局嫁も出社。
午後半休を貰った俺は、嫁の会社へ。
嫁の会社の人事にアポを取ろうとしたが、電話口で用件を言わなかったからか、まずは嫁の所属長へ会ってくれと言われた。
応接に通される前、カウンター越しに見えた社内の様子、明らかにおかしかった。
嫁の職場の総務部長と課長に面談。
「うちの嫁と○○さんが不倫していた。ういは離婚する事になる。御社の労務管理をお聞かせ願いたい」
血の気が引く二人の顔。
調査の上、改めて連絡させた貰いたいとの事で、取り敢えず帰る。
その日の夕方には連絡があり、不倫の事実を認め、社内で処分すると言われた。
「家庭が一つ壊れている。ひょっとすると二つ壊れるかも。厳正に対処してください」と言う。
「奥様にも処分が下ると思いますが・・・」と言われ、「どうぞ」と回答。
家に帰ると再び嫁の土下座攻撃。
嫁は会社自己都合退職。男も退職する方向になるとの事。
「男になにか言われたか?」
「会ってないし、連絡もしてないから分からない」
「お前の携帯にわんさか来てるぞ」
嫁に携帯渡す。オロオロする嫁。
「早く電話してやれよ」
嫁、諦めて俺の目の前で電話した。
携帯からも声が漏れる程興奮している様子。嫁の返答具合から、何故ばれたのか?みたいなやり取りが垣間見えた。
携帯むしり取った。
「嫁の旦那です」
「え!・・・あわ、わ」(本当にアワアワ言ってた)
「貴方には法的に制裁しますが、何か言う事は?」
こいつ、それだけは勘弁して欲しいとか、家族には言わないで欲しいとか、俺のやろうとする真っ当な権利を全て否定する。つまり、何もなかった事にしてくれと言う事かと。
結局、謝罪の一言が出てこなかったので言ってやった。
「謝罪もまともに言えない人とはもうお話する事はありません。法的に対処します。あと、貴方の奥さんも私の妻に慰謝料請求する事が出来ますので、その旨はお話しといてください」
「ええ!ち、ちょっと待っ・・・・・」ガチャ切り。
この時点で嫁は色々と諦めたみたい。
ただ只管謝って、俺の言う通りにすると言った。
不思議なもんで、こう言われると少しだけ嫁に情が湧いてしまった。
後は眈々と弁護士に動いて貰い、間男へ慰謝料500万、嫁は慰謝料なし、財産分与なし。間男嫁から嫁に300万の慰謝料請求あり。間男も離婚へ。
結局、間男はクビになり、家族への養育費もある事から、こちらからの慰謝料は減額して150万にした。その代わり、嫁への慰謝料も150万に。こちらからは頼んでないのに。
嫁は実家へ返品。義理父母から200万渡されそうになったが、受け取らず。
嫁、正社員で年収400万あったのに、それからはパートに。慰謝料は親があちらの立て替えて、親に分割返済するとの事。
厳しい親だし、嫁の下に大学生の妹いて色々とお金かかるはずだから、
間違いなく返済はしていくものと思われる。
間男はしらん。
俺は離婚が成立した後、慢性的な眩暈で結構辛い日々が続いたが、二年も経つとそれもなくなった。
結論から言うと、赤字にはなったが証拠掴むまで一切妥協しなかったのが良かったと思う。あそこでケチって興信所代金渋ってたら多分証拠掴めなかっただろう。
今思うと、危ないくらい怒り狂ってたからね、あの時の俺は。
弁護士にせいぜい150万が妥当と言われ、それでそんなもんかとガッカリ来ていた俺に対して、「養育費もあるみたいだから本人は地獄には違いない」となだめられた、という事。
よく言われるけど、相手の奥と子供には罪はない。甘いと言いたいやつは言っておけ、って思ってます。