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警察「保護者の方は居る?」私「不在です」警察「そう… じゃ、とりあえず君は連行ね」→ 驚愕の事実が…

父の単身赴任が決まった頃、私はすでに地元の高校に入学しており、母だけ父についていくことになった。

私はすぐ近くにある祖母の家から学校に通うことになってから、住んでいるところが田舎ということもあって、休日には祖母の畑仕事を手伝うことが日課になった。

これが意外と面白くて、そのうち一人で小松菜やら大根やら育て始めるようになってから、祖母がいつも農具をしまっている小さい倉庫の鍵を預けられるようになったんだけど、その倉庫は畑の隅の方にあって、

「鍵は預けるけど、夜になると真っ暗で危ないから畑仕事は夕方以降やっちゃいけないよ」

って言われてた。

そのうち出来た野菜を近所におすそわけしに行くことも増えて、 私が畑仕事をし、自分で野菜を作っていることが広く知られるようになった頃。

キーケースにつけていた倉庫の鍵を紛失するという出来事があった。

最初は

「落としたのかな?」

と思ってたんだけど

「ちゃんと落ちないようにしっかりとつけていたし、落とせば音もするはずだし…」

ともやもやしたまま、鍵をなくしてしまったことを祖母に謝った。

祖母は

「倉庫の中に入っているのは錆びた鎌だとか、そんなもんばかりだから盗む人もおるまいよ」

と言って慰め半分、もちろん注意もされた。

新しい鍵を作ってもらってしばらく、祖母が町内会主催の慰安旅行に出かけて、家に一人になった日の夜。

なんと警察が家にやってきた。

不審者でも出たのかなと思って出てみると、腰を抜かすくらいびっくりしたことを言われた。

「保護者の方はいらっしゃらないかな?」

「祖母はいま町内会の慰安旅行に出かけていていません。両親は県外に単身赴任で…」

「そうですか。急を要することでちょっと話を聞きたいんだけど、○○のところにある畑の奥の倉庫はおばあさんが管理してるのかな?」

「そうです。祖母と、あと私が。祖母から鍵を預かっていて、
色んな道具だとかがしまってあるので…」

「鍵はいつも誰が持ってるの?」

「祖母と私の2人です。あの、倉庫で何かあったんですか?」

「まあそれは後で話すからね、じゃあ鍵はおばあさんと
君がそれぞれ持っているってことなんだね?」

「そうですけど…」

「あのね、落ち着いて聞いてほしいんだけど、おばあさんの倉庫の中で
男を連れ込んで金銭でっていう行為があってね。君のお友達だという子が、君に鍵を貸してもらって
倉庫でやればいいよって言ってくれたって言ってるんだけど、心当たりあるかな?」

「…は!?なんですか、それ!心当たりとかあるわけないじゃないですか!」

「いやいや、あなたがお友達に貸したんでしょ?」

「貸してません!数日前に鍵をなくしただけで、
そんな大事なもの他人に貸したりなんかしません!」

「とにかく、ちょっと来てもらうから。ね?」

そう言われてそのまま近くの交番へ。

両親と、祖母が宿泊している旅館に連絡がいき、日付が
変わりそうな時間帯に両親と祖母がやってきた。

早とちりした両親にぶたれるわ、おばあちゃんの
監督不行き届きだとかなんとか、とにかくもう修羅場。
警察の人から話を聞くと、その“お友達”っていうのが、
クラスメイトでもあまり仲良くない(というよりも向こうが私を嫌っている)、
派手めな子(A)で、公になったのは今回が初めてだったそうだが、
どうやらたびたび色んなところで売り行為をしていたらしい。
それに気付いた私が
「倉庫の鍵と場所を提供してやるから、売り上げの2割を寄越せ」
とAに持ちかけた、という設定になっているらしかった。
どうしてバレたのかと言うと、夜に倉庫の近くで犬を散歩させていた
近所のおじさんが、物音と人の苦しむ声(やらしい声のことみたい)が
聞こえたので、音のする方へ行ってみると…という流れだったようだ。
最初こそかなり疑われてはいたものの

倉庫の鍵をなくした時に
私が結構学校や近所で大騒ぎしたので、他のクラスメイトや近所のおばさんが

「そんなわざわざバレるようなことするかね〜?」

って言ってくれたのと、Aの証言にちぐはぐな点が多かったこと、
Aが他校の友達に倉庫の鍵のことや、私のキーケースから盗ったことを
自慢していたことなどで、私の身の潔白が証明された。

聞くところによると、Aのお相手は他県在住のサラリーマン(妻子持ち)
だったらしく、未成年に手を出しハンザイ者になってしまったので、
離婚したんじゃなかろうかとしばらく噂になり、比例してAの話も
瞬く間に広がり、A家族は居辛くなって他県に引っ越していった。

その後、他県に大学進学し、久々に地元に帰省した時に聞いた話なのだが、
Aが数年前に単独でまた戻ってきて、母校の中学生や高校生相手に
安アパートで売り行為をして捕まったのだそうだ。

金にがめつい色狂いも大概手に負えないなと呆れ果てた。

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taka:

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