当時、父親と一緒に入院していたじいちゃんのお見舞いに行ったんだけど、じいちゃんは寝ていたんだ
それで父親が何か飲み物買ってくると出て行って、俺は寝ているじいちゃんの横顔を退屈しながら見てた
そしたら隣の寝台で本を読んでいたおじさんが話しかけてきたんだ
細かいところはおぼろげだけど、
「おじさん、足ケガしててね。高いところから落ちたんだけど、失敗したんだ」
みたいなことを言ってた
当時小学生だった俺は自さつなんて発想はなく、ヒーローみたいに高いところから飛び降りて着地に失敗したのかななんて思った
「そうなんだ、今度はうまくいくといいね」
みたいなことを言った
「そうだね、今度はうまくいくと思う」
と言われて、それ以降の会話は覚えていない
その後、無事退院したじいちゃんが親戚たちとの酒の席で、入院していた時に隣にいた人が、病院の階段から落ちて亡くなったと話をしていた
当時はあの人かなと思っただけだったけど、高校生の時にふと当時のことをふと思い出した時はじんわりとくる衝撃があった
もしかしたら俺が背中を押したのかもしれない
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