私は変わり者として他校にも知られた存在で、後輩たちからも馬鹿にされていた。
別に構いはしなかったが、歩くすぐ後ろをついて回り、ずっとひそひそくすくす笑われるのは嫌だった。
そんなある日、私が知的障害者だと言う噂が立ち、
「やっぱりね。馬鹿だもん」
と後ろで言われた。
さすがにキレそうになり、一言文句を言おうと振り返ると…
同時に乾いた音がした。
頬を押さえる後輩たちを、ある女の子が冷たく見ていた。
小中学生の時は、特に女の子は、誰からも憧れられる子がいたでしょう。
その子もそんな女の子の一人で、彼女と仲がいいことが女子たちのステイタスになっていた。
「(私)が手を汚すことはないわ。それは私の役目よ」
そう言うとパンッともう一発後輩たちの頬を叩いた。
「後輩が先輩馬鹿にするなんて礼儀知らずにもほどがある。ましてやあんたたちごときが私の親友を傷つけるんじゃない」
冷たく言い放つと私の腕を取った。
「彼女は私のただ一人の親友よ。大事な友達を馬鹿にすることは許さない。彼女だけなんだから。私とありのままで一緒にいてくれるのは」
それ以来、私の立場が気持ち悪いくらいに変わった。
でも、私は変わらずに変人であり続け今に続き、あの子も華であり続けている。
だけどあの時の言葉は忘れない。
すっとしたと同時に心から友情を感じた瞬間でもあった。
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