修造兄貴に見た目も中身も少し似ている友人は、国境のない医師団のような海外医師空白地域で医療提供している。
その時は、久しぶりに日本に戻って来て、甥っ子へのプレゼントを買うのに付き合った。
電車の中でヨド〇シの袋を持ちながら、買ったゲームについて話をしていると、その話を聞いていたらしい小学校低学年ぽい男児が
「それゲーム?頂戴チョウダイ。ソレ頂戴」
と言い始めた。
普通だったら一緒にいる親が
「すみませんでした。こら、ダメでしょ?」
とか諭すものだと思うのですが、一緒にいた母親らしい女は
「子供が欲しがってるからプレゼントしろ」
と言ってきた。
(これが噂のクレクレキチママか!リアルは初めて見た!!)と内心wktkしていたが、たいして可愛くもないガキが上目使いでじっとりニヤニヤする姿と、くれてやって当然って態度の母親の姿を見ていると凄く醜悪で・・・これが同じ人間か?と違和感を感じるほどだった。
すると…
友人はガキに声掛けられた時は一瞬ポカーンとしていたが、スグにそのガキと同じ目線まで腰を落とし、目を見ながら結構デカい声でゆっくり話しはじめた。
「日本みたいな裕福な国にも物乞いがいるなんて・・・でも大丈夫。日本では平等に教育を受ける権利がある。君もキチンと勉強して社会に出ればこんな負の連鎖から抜けられるよ。親から言われたとしても子供が物乞いなんてしちゃいけない。国によっては物乞いをターゲットにした誘拐犯もいるから気を付けるんだよ」
キラキラした瞳でのアツい励ましにそのガキは
「う・・・うん」
と頷くしかできずそれを聞いていた周囲はクスクス・・・。
母親は何やらふぁびょりだして次の駅で降りて行った。
「少し日本を離れていた間にこんな電車にまで物乞いが出るようになったなんて・・・自○党は何やったんだ?」
と真面目な顔で憤慨している友人に思わず吹いた。
天然最強。
その友人は今度無事帰国し、日本に根をはることになりました。