学生の頃、継母に言葉の虐待され続けて円形脱毛症になった。
10円ハゲが頭の色んなところに15個ほどポツポツ出来ていて、もう生えてこないかもと医者に言われてる。
ずっと帽子を被ってたんだけど、ある日嫁と外出した先で帽子が飛ばされて無くなってしまったことがあった。
夜10時をまわっていたし、電車以外暗いのでそのまま帰ることにした。
帰りの電車では、嫁を扉のすぐ横の席に座らせ、俺は扉を前にして立っていた。
しかし、途中から乗ってきた女性二人が、席に着くなりクスクス笑い出した。
窓の反射で見える女性二人組は、ずっとこちらを見ていた。
コソコソ話してはいるけど、
「何あのハゲ」と俺の頭のことを話してるのは明らかだった。
「新手のファッション?」
「ダッサwww」
「潔く全部剃れよ」
こんな言葉が端々に聞こえた。
円形脱毛症になるくらいだから、俺はメンタルがあまり強くなく、ストレスに弱い。
目眩がして胃が痛くなってきた。
すると…
嫁が無言で席を立ち、女性二人の前に歩み寄り
「人を貶すってことは、自分たちも貶されていいのよね?あなた達、顔もブスなのに、性格までブスって救われないわよ?」
そう言うと俺を視界に入れないよう、2人の前で仁王立ちした。
2人の話題は俺から嫁にうつっていた
嫁は背筋が綺麗で身長170センチあるうえ、ヒールを履いていたのでかなり威圧感があったと思う。
目元が江角マキ子さんに似てると言われる嫁が睨み続けていたせいか、自然と2人の口数は減り、そして何も喋らなくなった。
二人のほうが先に降りる駅がきたようで、背中を丸めていそいそと降りて行った。
自分から矢面に立って俺を庇ってくれた嫁の武勇伝です。
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