X

旦那に誕生日をお祝いしてもらった→最悪の展開に…

普段から元夫はケチだった。
トイレットペーパーは点線の切れ目2つ分しか一度に使ってはいけないとか、小の場合は2回に1回しか流してはいけないとか、今思えばすごかった。 

私の誕生日、某テーマパーク付近のホテルへ一泊旅行を企画してくれた。
ただしテーマパークに行くと費用がかさむため、ただホテルへ行って翌日帰ってくるだけの企画。
まぁ、祝ってくれるだけありがたいと思っていた。

当日。チェックインの時にチラリと見えた紙で、勤め先の割引のようなものを使って格安で予約したことが分かった。
元夫らしいなと思った。 

部屋へ着くと、準備があるからロビーでも散歩してきて!と興奮した様子で言われた。
しばらくすると、戻ってくるようにLINEでメッセージが。
部屋へ戻ると、それはそれは綺麗に飾られた部屋。 
ベッドはバラの花びらで飾られ、ケーキにはろうそく。ラッピングされたプレゼント。 

準備してくれたことがうれしくて、涙ぐみながらありがとう!と抱きしめると、途端に元夫の機嫌悪くなったことが分かった。

この時、私には元夫の機嫌が急に悪くなったことは表情で分かったが、理由がわからなかった。

後から判明したことだが…

私の喜び方が地味だったことが気に入らなかったらしい。
叫ぶとか、飛び跳ねるとか、そういうリアクションを期待していたそうだ。

そんなことは全くわからなかった私は、元夫が急に無表情で苛立っていることにただうろたえていた。
でも、まずはバースデーカードを読もうと、カードを開いて読み上げた。
すると、
「違う!!」
と怒鳴られる私。 
元夫いわく、カードの表紙をまずよく眺めるのが礼儀だと。
一生懸命選んだカードで、表紙にも素敵なメッセージが印刷されているのに、そんなことも気づかずいきなり中へ進むなんて、どれだけキミは馬鹿なのかと。 

まるで怖い学校の先生の前で教科書を読まされる生徒のように、私は表表紙のメッセージを読み、中の手書きのメッセージも読んだ。
が、もう元夫の機嫌を損ねたことは取り返しがつかなかった。 

そこで時間を取ったことで、他にも用意されていたものが台無しになった。

元夫はバスルームで事前に湯舟にお湯を張り、お風呂用のキャンドルに火をつけて浮かべていたのだが、カードのくだりで時間がかかったことで、キャンドルが溶けていくつか消え、お湯は生ぬるく、ほぼ冷えていた。 
私は機嫌をとるために、冷めたお湯に入って何とか喜ばせようとしたが、無駄だった。 

その後、今度こそ気分を変えようと、元夫が予約していたホテルのレストランへ。
私たちにしては、ものすごく高い店だった。 
この人は値段をわかっているのかと不安がよぎった。
メニューを眺めて、これはまずい、高すぎる、と心配になり、まずは元夫がどう出るのか待つことにした。

鉄板焼きのレストランなので、メインは当然ステーキなどだった。
元夫は、A5みたいな高級なステーキを指さし、僕はこれにする、と言う。 
1万超えのメニューだったので、ケチなこの人が?と驚いたが、お祝いだからかな、と納得して、では私はその半額くらいのものを選ぼうと、5000円前後の海老のなんちゃらにする、と元夫に言うと、信じられない言葉を放った… 
「そんな高いもの食べるの?」 

えっ?あなた1万超えのもの食べるよね?でも今日は私の誕生日で、ご馳走してくれるのだろうから、そう言われては高いものは注文出来ない。
私は、メニューで一番安いオムライス、1000円代のものに変更した。

元夫の注文した料理が先に運ばれてきて、こんなに美味しい肉は食べたことがない、なんだこれ?!と興奮する彼に、機嫌が直って良かったと胸をなで下ろした。 
私のオムライスは、なぜか待てど暮らせど運ばれて来ず、結局元夫は食事を終えてしまった。
何度かウエイターに声をかけていたのに、なぜ来なかったのかは分からないが、ようやく運ばれてきて、ついでに伝票が置かれた。 
何気なく伝票を見た元夫は、いきなりすごい勢いでキレ始めた。

何が起こったのかというと… 

ステーキの値段が高すぎる、狂ってる、こんな高いはずはない、自分は食べ物に1万も出さないと。

何を言っているのかわからなかったが、つまり彼はメニューの値段を見間違えていたのだ。 
いくらだと思っていたのかは知らない。
頭から湯気が出そうなほど怒りながら、私には席で待つように言って、マネージャーと話をすると席を立って行った。

自分の間違いなのに、何を話し合うのか。
私は恥ずかしくて死にそうだった。
オムライスに一口も手を出せず、誕生日なのに何してるんだろうと、涙ぐみながら座っていた。 

しばらくするとドヤ顔で戻ってきた元夫は、話はついた、ステーキの値段は払わなくてよくなった(本来の値段ではなくいくらかは払ったのだと思う)と言った。
自分の勘違いで注文し、しかも食べたくせにこの人は何をしてるのかと、もう何も言えなかった。 

この後、部屋に戻ってからもくだらないことで怒りまくり、口を聞いてもらえず、翌日まで無視されて、私の誕生日は終わった。

(Visited 7,778 times, 1 visits today)
taka:

This website uses cookies.