今日は仕事休みだから家でゴロゴロしてたら突然インターホンがなった。
抜き足差し足で玄関の覗き穴見てみたらスーツ着た男が立ってた。
めんどいから居留守したら部屋の窓開けてたの忘れてて帰り際のスーツ男と目が合って
「んもーぅ、いるじゃないですかー」
とか言われて話聞くはめになったwww
とりあえず玄関開けて、なんですか?って言ったら、
スーツ男「こんにちは!最近この辺をまわらせていただいてるんですが、ちょっとだけお話よろしいですか?」
することもお金もなくて暇だったからとりあえず話を聞くことにした。
俺「はぁ…別にいいですよ。」
スーツ男「ありがとうございます!よかったー…あのまま僕が帰ってたらお兄さん損するところでしたよ‼よかったー!」
俺「あ、うん。で、なんですか?」
スーツ男「いやね、お兄さん今会社員でいらっしゃいますでしょ?弊社が独自に行った調査で、お兄さんが選ばれたんですよ!おめでとうございます!ちなみにこの調査は日本全国の20代男性を対象に行っているんですが、選ばれるのはその中の5人、たった5人なんですよ!」
俺は笑いそうだった。
なんで独自に行われた調査で選ばれた5人の中に俺がいるなら、最近この辺をまわってんだよwww俺ん家周辺にそんなに選ばれたやつかたまってんのかよwww
とツッコミたかったが少し様子を見ることにした。
俺「ホンマすかぁ〜ッ‼⁇うわ、ドキドキしてきた…で、一体なんの調査で、選ばれるとなにがあるんですか‼⁇」
スーツ男「やっぱり気になりますよね。絶対誰にも言わないで下さいね?秘密厳守ですよ? 」
俺「も、もちろん‼絶対誰にも言いませんよ‼早く教えて下さい。」
スーツ男「お兄さん、最近ちゃんと睡眠はとってますか?」
俺「いやー、仕事から帰ってきて風呂入ってメシ食ってたりしたらもう11時とかになるんで、そっからDVD見たり趣味の夜釣りしたりするんでいつも遅くなりますね〜。睡眠時間は平均3〜4時間くらいですね」
スーツ男「夜釣りされるんですか⁉」
スーツ男も釣りが趣味のようでそこから15分くらい釣りトーク。
スーツ男「とまぁ、やはり最近の20代の方は昔に比べて睡眠時間が格段に減ってきてるんですよ‼そこで、朗報です。」
俺「朗報?なんですか?」
スーツ男「ここじゃなんなんで、少しお邪魔してもよろしいですか?」
少し抵抗はあったが、自分も営業マンだから勉強のつもりでスーツ男を家にあげることにした。
スーツ男「お、なかなかいい家にお住まいじゃないですかー!こんなにいいお家なら完璧ですよ!」
俺「いやいや、僕も最近やっと稼ぎが増えたので引っ越してきたばかりなんですよ。前の家は強い風で揺れましたからねw」
スーツ男「ハハハっ!でも、今は今ですから!これはいい!弊社の商品にぴったりのお家ですよ!」
俺「あ、なにか商品を扱ってるんですね。一体なんですか?まあ、座って下さい。コーヒー入れますんで。」
スーツ男「いやいや、おかまいなく!ありがとうございます〜」
家にあがってからスーツ男はずっとニヤニヤしてたwww
これはいける!感がひしひしと伝わってきてたwww
俺「どうぞ。ブラックですけど」
スーツ男「あ、どうもすいません。で、本題なんですがね。今お使いのお布団はあれですか?」
スーツ男はコーヒーをすすりながら俺の布団を指さした。
俺「あ、はい。そうですよ。ずーっとあの布団なんでなかなか変えれないんですよね」
スーツ男「ちょっと触ってもよろしいですか?…あー、なるほど…なるほど…これはマズイな…」
俺「まあ安い布団ですしねーwww」
スーツ男「お兄さん‼これではダメですよ!」
スーツ男は自分のカバンをゴソゴソとあさりだした。
スーツ男「これ…絶対内緒ですよ…ちょっと触ってみて下さい」
スーツ男はなんか正方形のコースターくらいの大きさの掛け布団の切れ端みたいなのを取り出した。
俺「んん〜、うん。まあ、フカフカですね。このフカフカで寝たら気持ちいいでしょうね」
スーツ男「でしょ‼そうなんですよ‼‼ここ近辺の方はみなさんこの布団、持ってますよ!」
俺「ぇえーッ‼‼そうなんですか?お隣の高橋さんとかもですか?」
スーツ男「…内緒ですよ?お隣の高橋さん…2セット買いました!」
俺「ホンマすか‼⁇すごいなぁ…スーツ男さんが売ったんですか?」
スーツ男「いえ、実は先日まで僕の先輩がここ近辺はまわってたんですが、最近僕に譲ってくれたんですよ。あの地域の方はみなさん困ってる、勉強だと思って救ってくるんだ!と」
俺「あぁーなるほど。僕も営業マンなんでなんとなくわかりますよ」
スーツ男「ええ⁉お兄さん営業マンなんですか⁉」
御社は独自の調査したんじゃねえのかよ‼とツッコミたかったが、まだ様子を見ることにした。
俺「えぇ。営業ですよ。スーツ男さんとはちょっと扱ってる商品は違いますけど。僕はお化粧品の卸です。お客さんもエステさんなんかの業務商材ですしね」
スーツ男「そうなんですねー。実際営業されてる方は車の運転、徒歩での営業などで知らないうちに体はボロボロなんですよね〜。」
俺「まあ、そうですねぇ。僕は高校の時の部活動の影響でヘルニア持ちですし」
スーツ男「ホントですか⁉いや〜、つくづくお兄さんはついてる‼今日で、疲労感、ヘルニア、短い睡眠ともお別れですよっ!」
俺「いやー、でもやっぱり布団は試してみないとなんとも言えないですよ」
スーツ男「ちょっとこれで試してみて下さいよ‼」
スーツ男はさっきのコースターみたいなちっさい切れ端みたいなのをまた渡してきたwwwこれで試すとかドリフかよwww
スーツ男は横になった俺のムネのあたりに、ちょこんと切れ端をのせた。
スーツ男「どうですか⁉実はもう眠たくなっちゃってたりするんじゃないですか⁉」
俺「そう言われてみれば、眠たくなってきたかも…(バカじゃねえかこいつ?www)」
スーツ男「でしょ⁉この布団の中には鉱石のパウダーが含まれてて、その鉱石から放たれる遠赤外線の効果で体が暖まり、眠たくなるんですよ!」
俺「その原理は一理ありますね〜。最近はお化粧品の中にもそういった効果のものもありますし。」
スーツ男「さすがですね‼いやー、お兄さん話がわかる方だ‼」
俺「なるほど〜…ちなみにこのお布団はいくらなんですか?」
俺は疲れたのでそろそろ終わらせることにした。
スーツ男「ここで、お兄さんだけの特典があるんですよ!先ほど弊社の独自の調査で選ばれたと言いましたよね?」
俺「あ、はい。」
スーツ男「通常、このお布団みなさんには40万円でお売りしてます。ただ!お兄さんのように選ばれた方には、掛け布団、敷布団に低反発枕までつけて!18万円で!ご案内させていただいてるんです‼」
俺「ぇえーッ‼‼いいんですかー‼⁇」
スーツ男「正直赤字です。弊社に利益なんてありません。損して得とれ精神で!お兄さんのように選ばれた方には格安でご提供させていただき、その使用感をみなさんに伝えていただければ弊社はそれで満足です、はい。」
俺「お隣の高橋さんも40万円で買われたんですか…?」
スーツ男「シーッ‼だめです‼お隣にこれが聞こえたら怒られちゃいますよ‼」
俺「あ、すいませんwwwでも僕、いくら下がっても布団なんかいりませんよ?」
スーツ男「え?」
俺「いや、布団には別にこだわりないですし。睡眠時間のばしたけりゃ早く布団に入れば済む話ですし。」
スーツ男「え?ハハハッ!またまたぁ!」
俺「いや。お布団はいりません。」
スーツ男「あ?」
俺「いやいや、ホントに結構です。」
スーツ男「マジかぁ…困ったなぁ。これ、業務妨害ですよ?せっかくの僕の営業時間が無駄になったからさ。ね。」
俺「え?ホンマに言うてます?それ。」
スーツ男「うん。マジマジ。ちょっとマズイなぁこれは。上に連絡することになりそうだなぁ」
俺「上に連絡したらどうなるんですか?」
スーツ男「いや、あまりそれはしたくないんだけどね。それなりの処置をとることになるんですよ」
俺「どうしたらいいんですか?僕は。」
スーツ男「いや、お布団を購入して頂ければあなたも安眠でハッピー。私もハッピーでしょ?それだけですよ」
俺「話のわからない人だなぁー。だから布団はいらないんですよ」
スーツ男「話のわからないのはそっちでしょー‼‼」
このやりとりが5分程続く。
ちなみに言っておくと、自分も営業の端くれだから会話の節々に色々と罠を仕掛けておいた。なんとかスーツ男を黙らせるために罠をあかす事にした。
俺「何度も言いますが。布団は買いませんからね!あと、この部屋にレコーダー置いてますからここまでの会話は全部録音してますので。」
スーツ男「え⁉ま、またまたぁ。冗談キツイですよお兄さぁ〜ん。」
驚いた。スーツ男は喋りながらレコーダーを止めろとジェスチャーしてきた。
俺「止めませんよ。絶対。レコーダーの場所も言いませんし。それに、今使ってる布団、近所の老舗の布団屋で特注で作ったやつで、使い始めてまだ5日しかたってないですし。あなた、布団見る目ないですよ。」
スーツ男「あー、そういう事?お兄さん?はめたの、私を。もう上に連絡しますし、お隣の高橋さんにもあなたの事言いますから。人をだまして楽しむような人だって。」
俺「あ、お隣は高橋さんじゃなくて山中さんですwww高橋さんって誰ですか?www」
スーツ男「あ?なめてるんですか?」
俺「いやいやー、舐めてるのはどっちですかぁー⁉せっかくの休日を無駄にされてこっちも心外ですよー」
スーツ男の、レコーダーを気にしてあまりキツイ口調で言えない感がおもしろくなってきたwwwレコーダーなんかないのに。
スーツ男「ハハハッ!いやー、おもしろいお兄さんだ。ホントに。ちょっと電話するんで待って下さいね。」
スーツ男は携帯をとりだしてどこかに電話をし始めた。
スーツ男「あ、もしもし。お疲れ様です。今お客さんのところにいるんですけどー…はい、はい。そうです。あのお兄さんです。はい。そうです。いや、なんかレコーダー置いてたり、お隣さんの名前嘘つかれたり、はい。そうです。あ、分かりましたー。住所は、○○○の〜」
上司がくるのか?
この時点で1時間強ちかくスーツ男は家にいる。そろそろうざい。しかも上司が来るだと? 正直怖い。どうしよう。
調子にのって遊びすぎた。実は金ならあるし、もう布団買うか?いやいやそれはダメだろ…
思考回路が爆発しそうだったwww
スーツ男「お待たせしましたぁー。いやー、ちょっと上司がぜひお兄さんとお話したいようなので。少々お待ち下さいね。」
俺「いや、上司の方がこられても何も変わりませんよ。なにしにくるんですか?」
スーツ男「お話ですよ。」
俺「はぁ…。」
スーツ男「あ、すいません。お手洗いお借りしてもよろしいでしょうか?」
俺「どうぞ。部屋出て左行って右のドアです。」
スーツ男「ありがとうございます〜」
スーツ男「すいませーん。」
トイレの方から声がした。
俺「なんですかー?」
スーツ男「いや、ちょっと来て下さ〜い」
なんだよもう。
俺はトイレのほうへ行った。
スーツ男がトイレの前に立っていた。
俺「なんですか?」
スーツ男「おい。あんま、なめんなよ。レコーダーどこにあんだよ?あ?部屋戻ったら目の前で電源消せ。分かったか?いいな?てめぇ上のもん来たら知らねえからな。終わりだぞ。まあ待っとけや」
こ、怖ぇーwww
俺は部屋に戻って、持ってたレコーダーをとりあえずテーブルに置いといてみた。
スーツ男がトイレから戻ってきた。
スーツ男「いやいや。すいまs…なんだ、聞き分けいいじゃん。消せよ。」
俺「もう消しましたよ。」
再生を押して何も録音されてない事を証明した。
スーツ男「お兄さん残念だわー。素直にしてればよかったのに。レコーダーとかなんか色々するから上のもん呼んじゃったじゃん。もう俺知らねえから。」
その時。
プルルルルル!
俺の仕事用の携帯が鳴った。
俺「ちょっと仕事の電話なんで。失礼しますね」
スーツ男「余計な事言うなよ」
俺「お客さんなんでなにも言えませんよ」
部屋を出て着信を見た。
お客さんじゃなくて会社の社長だった。
俺の会社は創立5年たった今でさえ従業員も増えたが、俺は、俺(20歳)社長(35歳)と事務員(32歳)の3人で会社やってた時代からいる古株だから社長とは仲がいい。
俺「はいもしもし。」
社長「このやろー。お前が有給なんかとるから忙しいじゃねーかよーwwwどうせパチしてんだろ?どこだ?俺も行くwww」
俺「いやそれがかくかくしかじかでwww…」
俺は社長に今までの経緯を話した。
社長「パチよりおもしれえ事しやがってー!wwwよし、俺も行くwww待ってろ」
社長のオヤジさんは若い頃から青年団の会長やったりして、昔でいう893のみかじめ料を辞めさせたりした人で、しっかりとその血をひきつぎ、こういう話にはすぐ飛びつくのだwww
しかも俺の家は会社から車で3分~5分。
これは俺のほうが有利だ。
俺「いやいやお待たせしました。」
スーツ男「なげぇよ。おめぇ変な事してねぇだろうな。あ?住所ばれてんだからな。分かってんだろうな?」
俺「なにもしてませんよ。そんなにビビらないで下さいよwww」
スーツ男「てめえホントにむかつくな。まあいいや。もうちょっとで土下座させてやるよw」
俺「もー。怖いなー。」
それから5分くらい沈黙が続いた。
ピンポーン。
どっちだ⁉社長か?スーツ男上司か?
俺「は、はいはい!」
玄関にむかった。
?「どーもー。こんにちはー。」
社長の声じゃない…
スーツ男「おい。誰か呼んだだろ?」
俺「は?スーツ男さんの上司じゃないんですか?」
スーツ男「声が違う」
俺「え?」
?「すいませーん。」
スーツ男「居留守つかえ」
俺「部屋の電気ついてるし、はいって言ったから出ます。」
スーツ男「あ、てめ!」
スーツ男は部屋に戻った。
ガチャ…
?「こんにちはー。わたくしN○Kより正式に委託をうけ、受信料のしゅうk…」
俺「テレビないです!」
バタンッ…
あいつらはホントに空気がよめない。
俺は静かに部屋に戻った。
スーツ男「誰だよ。あれ。」
俺「N○Kの集金でした。」
スーツ男「ふーん」
え、聞いといてそれ⁉www
社長が来てくれる事で俺にもいくぶん余裕がでてきていた。
それから2分くらい経ち…
ピンポーン
スーツ男・俺「‼」
どっちだ…次こそ…頼む…
?「こんにちはー。」
スーツ男「お、俺が出るわ。」
社長の声ではなかった…社長…遅いよ…
スーツ男「お疲れ様です!すいません!てまとらせてしまって」
上の者「かまへんかまへん。ここの兄ちゃん案外りこうやったみたいやな」
スーツ男「むかつくやつなんすよ。マジで。ちょっとへこませちゃって下さいよ。」
玄関の話は筒抜けで、俺は怖くて仕方なかった。
どうしよう。
ガチャガチャ、ドン、ドン、ドン、ドン。
靴を脱ぎ、部屋に重い足音が向かってくる。絶対ガタイいいな、上司…あぁ〜…。もう布団買おっかなぁ。来客用で置いといてもいいしなぁ〜…
俺の心はみるみるうちに折れていった。
上の者「どーもー。すいませんねぇ。若いのがどうも迷惑かけたみたいで。」
俺「い、いえいえ。僕も営業なんで、気持ちわかりますし。ええ。」
スーツ男「wwwwww」
スーツ男の顔には笑顔が広がっていた。
上の者「お話は伺いましたよー。レコーダーとかお隣さんの名前なんか嘘ついたり、どうしたいんですか?え?出るとこ出ますか?これは立派な詐欺ですよお兄さん。ウチも最近会社始めたばかりで不手際あったかもしれません、が‼、嘘はいけない。ね?」
スーツ男「ほんまですよー。もう僕も何がなんだか。怖かったですわぁーwww」
俺「あ、はぁ…僕、石橋は叩いて渡る派なんで、アハ、アハハハハ…」
上の者「まあ、叩いたらあかん石橋もあるゆうことですわ。」
スーツ男の上司の目がすごい怖い。
思わず目をそらしてしまう。
ん?…wwwwwwwwww
目をそらした窓のすりガラスごしに、顔をベタッと窓にはりつけて、中を覗こうとしている人がいるのに気付いた。
上の者「うわっ‼ビックリした。なんやあれ」
スーツ男「おい。あれ誰だよ。」
俺「うちの会社のwww社長wwwだwww」
上の者「な、おい!スーツ男!誰にも連絡さすな言うたやないか‼アホかお前!」
スーツ男「違うんすよ‼客から電話や言うたんすよ‼お前!めんどくさいことしやがって‼」
上の者「おい。スーツ男、お兄さんの社長には帰ってもらえ。行け。」
スーツ男「は、はい。」
俺「(あいつじゃ絶対無理だwww)」
すりガラスごしに、社長と話すスーツ男が見えた。
ここで社長スペック
顔はジョージクルーニー
体つきはマイクタイソン
身長は183cmくらい
かな。
すりガラスごしにもスーツ男がびびってるのがわかった。スーツ男の上司と俺は、部屋の中から静かに二人のやりとりを見ていた。
スーツ男「帰ってもらえませんかね?ちょっとお話してるんで。」
社長「え?なんで?」
スーツ男「いや、ちょっと大事な話してるんすわ」
社長「え?…え?wなんで?www」
スーツ男「やから、今お兄さんは手が離せなi…」
社長「え?…あ〜…ん?なんで?www」
社長は、なんで?と言うたびにスーツ男に一歩ずつ詰めより、スーツ男はその度一歩ずつ下がっていったwww
スーツ男「帰ってくれ言うてるやろ‼‼」
社長「なんで?なんで?なんで?なんで?wwwwww」
気づくと二人は玄関まできていた。
俺は笑いを我慢するのに必死だったwww
さすがだ、さすが社長だ。
スーツ男の上司も少し困った顔をしている。
上の者「たまらんなぁこりゃ…」
俺「やっぱ石橋は叩くべきですねwww」
上の者「やかましわ!!」
スーツ男「はぁ、はぁ、はぁ、あきません…あの社長、たぶんヤバイです。」
トーン、トーン、トーン。
社長の軽やかな足音が向かってくる。
社長「どーもー!こんにちはー‼うちの従業員がお世話になってるみたいでー!」
上の者「いやいやー。うちの若いのもお世話になったみたいなんですよー!ハハハハッ‼」
社長とスーツ男の上司の、口だけ笑顔で目が笑ってないやりとりがすごく怖かった。
社長「なんでもお布団をお取り扱いのようで!いいですねー!ちょっと見せて下さいよー!」
上の者「あ、あー、もちろん!おい、スーツ男!布団を見せてさしあげろ!」
スーツ男「あ、あ、はい!」
スーツ男はあのコースターみたいな布団の切れ端をカバンから出した。
社長「こ、こここ、これはぁぁあああああ‼‼」
社長はちっさいそのコースター布団を両手で大事に大事に持ち。少し震えながら言った。
上の者「い、いい生地、いい羽毛でしょ‼」
社長「ちょっと試していいですか‼これ‼」
スーツ男「もちろん‼‼ささ!どうぞどうぞ‼」
社長は横になり、コースター布団を胸にちょこんと乗せた。
上の者「どうですかぁ‼いいでしょ‼実は生地の中にも鉱s…」
社長「鉱石が入っててその遠赤外線効果で血流促進を起こし、体を暖めるんでしょ?」
上の者「よ、よく御存知で‼いやさすがですねぇ〜‼」
社長「今鉱石は化粧品にもよく使われますからねー。確かに鉱石の遠赤外線効果は人体に対してじゅうぶん効果を発揮しますし、いいですよ。で、どこの鉱石ですか?」
上の者「あ、こ、これはですね‼御存知かもしれないですがー、実は、鉱石の産地は秋○県の玉○○泉というところの鉱石なんですよ‼」
社長「あ、あ、あ、あの有名な⁉それはすごい‼ぜひ布団をいただきたい‼名刺なんかお持ちでしょうか?」
上の者「いやー、やはりお話がわかってらっしゃる!お兄さん、いい社長を、おもちだwwwそれが、まだ会社を始めたばかりで予算もなく名刺ができてないんですよー」
社長「そうですかぁ。それは残念。では会社の場所を教えていただけますか?」
上の者「あ、会社は○○の○○にありますよ」
社長「ちょっと確認しますね。」
上の者「え?」
そう言うと社長はどこかに電話を始めた。
社長「おー、お疲れさん。お客さんとこ終わった?お、そうか。ちょっとな、○○の○○いう所言って、布団下さーい。て聞いてみてくれんか?…お、おお。じゃあ頼むわ」
社長は僕の部下でもある従業員に確認させに行った。
上の者「だ、誰か会社にいるかなぁ…この時間はみんな営業にでてますからwハハ!ハハハハ!」
社長「会社なら事務員か誰かおるでしょ?」
上の者「いやー、お昼ご飯食べに行ってるかもなぁ!ハハハハ!」
10分くらい経ち…
プルルルルル!
社長「お!もしもし?、うん、うん…うん…な、なんだってぇぇえええ!(棒)」
スーツ男・上の者「………。」
社長「おう、わかった。ありがとうな。はい、はーい。……会社、ありました。すいませんねぇ。疑って。」
上の者「あ、ありましたでしょ!もー、大丈夫ですよー」
俺「(一応会社はちゃんとあるんだ…)」
社長「ただねぇ…ちょっとひっかかるんですねぇー…」
社長「秋○県の玉○○泉の鉱石は、日本の天然記念物ですよ。採ったらハンザイです。捕まりますわ。うん。」
上の者「え?そ、そうなんでs…そうなんですよー‼なので‼それに似た‼鉱石を外国から取り寄せてるんですよ‼でも日本なら秋○県のほうが知名度高いんでね!ちょっとオーバートークしてるんですよー!」
社長「なるほど。まあ、そこはもういいですわ。これ以上は片腹痛いですしwww」
上の者「は、ははは…もう…いいですか…」
スーツ男「え、ええ⁉○○さん‼ちょ、待って下さいよ‼」
上の者「まあ待てやスーツ男。社長さん。おたくの会社、もう知りませんからね。ちょっと裏に電話しますわ」
社長「どーぞどーぞ」
スーツ男の上司はどこかに電話をし始めた。
上の者「あ、どーも。僕です。お世話になります。ちょっとやっかいなことになりましてね。はい。ちょっと手まわしてほしいんですわ。」
俺「(ヤバイヤバイヤバイヤバイ…)」
やっぱりそっちと繋がりがあったようだ。
社長はなんでこんなに余裕しゃくしゃくでいられるんだよ。
俺ん家の住所ばれてんだぞ!おい!社長‼
上の者「ええ、ええ、はい。お願いしますわ。何人か若いの送っといて下さいよ。はい。じゃ、お願いしますわ。」
社長「終わりました?」
上の者「うん。もう終わりですわ。お兄さん、君のせいで社長も何もかも終わりや。残念やな。スーツ男!そのお兄さんちょっと連れてけ‼」
スーツ男「はいwww残念だねお兄さん。途中までいい感じだったのにwww」
上の者「社長さんも、こんな従業員一人のために残念ですね。同情しますわwww」
社長「ほんと、同情しますねwww」
上の者「あ?どういう事や?」
スーツ男「なめとんかおっさん?」
社長「さっきの、てかあなた方の裏って○○会系○○組でしょ?」
上の者「や、やったら何やっちゅうねん‼‼」
社長「子供の時はよく可愛がってもらいました。今でもよく僕のオヤジの飲み屋に顔出しちゃあ昔話しに花咲かせてるみたいですよ」
上の者「なんやと?それ、ホンマか?…てことは…」
スーツ男「なにわけわかんねぇ事言ってんだよ‼おっs…」
上の者「黙れ‼‼…さっきの話、ホンマか?社長さん」
社長「んー。さぁ〜?」
俺「(そうか‼…社長のお父さんは…)」
社長「まあ、仕事に支障きたすんで僕はそっちの方とは距離を置いてますがね」
プルルルルル!
上の者の電話がなった。
上の者「で、電話や….はいもしもし。…はい。…はい…そんな⁉…いや…でも…は、はい‼すいません‼はい‼わかりました‼スーツ男連れていきます‼」
スーツ男「え?」
上の者「いや、社長さん。この度はまことにご迷惑をおかけしました。従業員さんのお休みの所、ウチの若いのが何も知らんと邪魔しくさって…ほんとに申し訳ない。」
スーツ男「え⁉なんですかそれ‼わけわかんなi…」
上の者「ガタガタガタガタやかましいわ‼‼‼ええから謝らんかい‼土下座せえ‼このお兄さんに土下座やぁッ‼‼」
スーツ男「え、ぇえ〜…」
俺「え?いや、別にそこまd…」
スーツ男「す、すいませんでしたぁ(棒)」
上の者「おい…コラ」
スーツ男「す、す、すいませんでしたぁぁあああああ‼‼‼」
俺「あ、はい。」
社長「まあまあ、今のご時世に飛び込みで訪問販売やなんて、若いのに熱意があってええやないですか。うちの従業員にも見習わせたいですわ!ハハハハ!」
上の者「いや。ホンマに申し訳なかった。ちゃんとケジメつけさせますから。お兄さんも。ホンマに悪かったな。これ、少ないけど受けとってくれんか?」
俺「いや、法律厳しくなって、そういうのもらうだけでアウトですから。結構です。」
上の者「うん。しっかりした兄ちゃんや!ホンマに!すまんかった‼スーツ男にもちゃんとケジメつけさせますから。」
俺「ま、まぁ、お好きにどうぞwww」
上の者「今後一切!このお兄さんと社長さんの会社には手えだすな‼わかったな!スーツ男‼」
スーツ男「は、はいッ‼」
社長「まあ、これにて、一件落着ですね‼」
上の者「そしたら、えらいお邪魔しました‼お兄さん!あんたみたいな営業がうちにもおったらなぁ…」
俺「絶対いやですよwww」
上の者「そらそうやwwwオラ‼しゃんしゃん歩かんかいスーツ男‼」
スーツ男「は、はい〜!」
バタン…
こうして二人の厄介者は、帰っていった。
社長「お前も遊ぶのはいいけどさー…度が過ぎるぞ」
俺「あ、はい。すいません。」
社長「ま、楽しめたからいいよwwwじゃあなー。パチでもしてくるわ〜」
俺「あ、社長‼この布団の切れ端!どうするんですか⁉」
社長「俺はいらねぇよ‼w好きにしろやwwじゃ!…おりゃおりゃおりゃおりゃドカー……」
社長は慶次の歌を口づさみながら俺の家を出ていった。
部屋には疲れきった俺とコースターみたいな布団の切れ端…
ま、こんな有給も悪くないかwww
と布団の切れ端の上にジュースの入ったコップを置いた。フカフカでコップが倒れた。
コースターにはむいてないなwww…
とまあこんな感じでした。
長い間ありがとう。釣りとか釣りじゃないとか論議がありましたが、信じるか信じないかは、あなた次第‼m9(=´∀`)