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情熱の国の血を受け継ぐ女性のマジギレはとにかく怖かった。

海外勤務が多くなかなか春が来なかった義兄が、
カリブ系の外国人女性と結婚した。

赴任先で知り合ったそうで、義兄は歳行ってるけれどもお嫁さんは若くて
義兄にベタ惚れで即子宝に恵まれ、日本人ageの国らしく
向こうのご家族はよくやったと諸手を挙げて送り出し、
良ウトメも最初こそ戸惑いはしたけれどもやっと訪れた長男の遅い春に大歓喜で、
慣れない日本暮らしに馴染むようあれやこれやと協力していた。

トメさんは英語もスペイン語もさっぱりわからないのに日本語一本で果敢にコミュニケーションに務め、
ウトさんが「あれはさすがに真似できない」と舌を巻いたほど。

義兄嫁さん本人もよく義実家を頼って来てたし、
家族を大切にするお国柄だそうで、義両親の誕生日やクリスマスは欠かさず尋ねて来てくれて、
関係はとても良好だった。

ところが義兄の長期海外出張中、義実家から切羽詰まった声で「今すぐうちに来て」と電話があった。
義兄嫁さんが怒り心頭でうちに来て何かを訴えているが何を言っているのかわからない、
嫁子さんなら若いから言葉とか気持ちとか何かわかるんじゃないか、と。

そんなこと言われても私だってスペイン語なんかパエリアぐらいしかわからないし
英語だって高校卒業と同時におさらばだし、とは思いつつ仕方なしに行ってみたら、
そこには顔を真っ赤にして見事な巻き舌で何かを怒鳴り続ける義兄嫁さんが。
情熱の国の血を受け継ぐ女性のマジギレは何を言ってるかさっぱりわからなくてもとにかく怖かった。

とはいえ呆気に取られていても仕方ないので、どうにか宥めすかして
片言の英語(スペイン語圏だけど英語もできる、ただし多分すごく訛ってる)で話しかけ、
パソコンで翻訳サイトを見せながら事情を聞いてみたところ、
義兄さんが私を侮辱している!こんなの耐えられない!もう終わりよ!といった感じ…

なかなか良縁に恵まれなかったけど、
とても優しく物腰の柔らかい義兄だったので、私びっくり、ウトメもびっくり。

いやいや何かの間違いじゃないか、義兄さんは貴方をとても大切にしてるし
軽々しく人を侮辱するようなタイプではない、と言っても全く聞く耳を持たず、
証拠があるんだ、私はこれが許せなかった!とパソコンをひっつかんで
Hotmailの義兄さんのアカウントにログイン。

おいおいそれあかんやろと思ったけどまあ夫婦間の認識もあるだろうしと思ってそこはスルーして、
読め!と言われた文章を読んでみる。
(義兄嫁さんはご友人に見せて翻訳してもらったらしい)

そこには日本人男性にはとてもよくある「うちの嫁にも困ったもんですよ」的な一文が。

もうウトメも私も脱力しましたよ。文化と認識の違いって怖いって。

そこから日が暮れるまで軽く3時間、
巻き舌でキレまくる義兄嫁さん相手に「これは日本の文化みたいなもんだから」と涙目で説得。

みんな覚えておくといいよ”謙遜”はmodestyって言うんだぜ…
100回くらいmodestyって言って100回くらい「No! No modesty!」って怒鳴られたよ…

結局最後は義兄のところに国際電話して(ここに来る前に散々おんなじようなやり取りをしてたらしいが)
受話器越しに激昂→叩き切るを3回くらい繰り返したところで何か義兄嫁さんのところで着地点があったらしく、嘘のようにニコニコしながら帰って行きました。

義兄嫁さんのところに2人目ができたと連絡が来たので記念カキコ。
私英語全然わかんないけど多分modestyだけは一生忘れない。

87: 名無しさん@HOME 2013/06/16(日) 14:21:29.72 0
>>79
逆に発散出来て解決して良かったかもよ
我慢する嫁なら、解決できないまま長期的に義兄さんを恨んで
生命保険狙って…なんてこともあったりして

とにかく誤解が解けてよかったね

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taka:

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