X

飛行機と新幹線で3時間以上の距離に住んでいるはずの義妹が突然訪ねてきたのだが…

弟が結婚したのは4年前。 
結婚式もこじんまりとやって、最初は別居。母親が定年退職したら(もしくは弟夫婦に子供が出来たら)同居、ってことで話がまとまっていたらしい。 
実家は古い木造住宅だからいずれはリフォームして2世帯住宅ね~なんて母親が話してるのはチラッと聞いたことがある。 
(あー、帰ってくるなってことだな・・・って思った) 

家族同士で連絡を取り合うことなんて滅多になかったのに、ある日義妹ちゃんから携帯に何度も着信があった。 
「今から会いに行ってもいいですか?ご相談したいことがあって・・・。」
新幹線と飛行機乗り継いで3時間以上かかるのに。 
よくよく話を聞いたらもう飛行機降りてこっちに向かってる、もうすぐ着くという。 
一足先に待ち合わせ場所に着いてた義妹ちゃんを見てびっくり。 
ちょっとふくよかな感じだったのが見る影もなくやつれて、しかも真冬なのにコートなし。足元サンダル。 
持ち物も少し大きめのハンドバッグ1個。どう見ても計画した泊まりの格好じゃない。

何があったの?…

義弟嫁の話によると…

母にテンプレどおりのイビリを受けていた。
食事が不味いだの、家事が下手だのと相当ねちっこくやられたらしい。 
そこで疑問。

「何で?別居してるんだよね?お母さんまだ仕事してるし・・・」
と言うと
「もう同居してます」と。 
どうやら弟がゴリ押しして、実家を2世帯ではなく普通にリフォームして一緒に住み始めたらしい。 
なんでそんなことになってんの?とびっくり。 
↓弟の言い分 
・2世帯だと姉ちゃんが帰省したとき困る(そうそう頻繁に帰るわけでもないのに) 
・どうせ同居するなら早い方がいい(何を根拠に?) 
・定年を待ってからだとローンの支払いがきつい。(退職金あてるとか言ってなかったか?) 
・妊娠したら家事はお母さんがやってくれるから 
・荷物が少ないうちに引っ越した方がお互い楽だ 

意味不明。 
義妹ちゃんはそんなにすぐ同居に踏み切るとは思ってなかったから抵抗したらしい。 
すると母親と弟が
「家族なのに!」
とやいのやいのうるさく、どうせいずれは同居するのだし、わだかまりを残すよりは早い方がいいのかな?と思ってしまったらしい。 
別居のときも凸られたことが何度かあり、それより同居の方がまだマシかも?とも思った、と。

しかし… 

いざ同居を始めたら孫産め孫産め・・・「私はお姉ちゃん(長女=私のこと)を25才で産んだのよ。早くしないとあとが大変よ」 
それなりに頑張ったらしいが妊娠せず、弟に「こんなことなら出来婚狙った方が気楽だったかもな」と言われたり、「何で出来ないんだろうな。どっちが悪いんだろうな」と 
義妹ちゃんのせい?のような言い方をされ、それでも我慢して生活してきたらしい。 
婦人科検診にも行ったが特に異常はなくタイミングと体調でしょうと言われ、基礎体温をつけたりなるべく気を遣うようにはしていたのだが、ここへ来て生理が止まった。 
産婦人科に行ったが妊娠の可能性は低く、ストレスでホルモンのバランスが崩れたんでしょう、と。 
弟には黙っていたという。 
2ヶ月くらいして生理用品が減ってないことに気づいた母が「もしかして生理来てないの?」とワクテカ顔で聞いてきたそうだ。(そんなとこまでチェックすんなよ、と気持ち悪くなった) 
「はい・・・でもストレスだと言われました」と義妹ちゃんが答えると、一転「何言ってるの?何がストレスだって言うのよ!」 
「そうだよ、僕もお母さんにこんなによくし て や っ て る じゃないか!嫁なんだから黙って従ってろよ」 

義妹ちゃんは何度か実家にも連絡を入れたのだが、今ちょうど妹さんが出産で里帰りしているのと、おばあさまの介護でゴタゴタしていて心配をかけられないと何も言えなかったそうだ。 
それで耐えられなくなり、ふっとどこか遠くへ行きたくなったとき遠方の私の顔が浮かんだので、買い物に行く格好でふらっと外に出てそのままタクシーで新幹線駅まで出て、飛行機に乗って来た。 
とりあえずの衣類とクレジットカード・預金通帳と印鑑・貴金属類・基礎体温計とノートなど手当たりしだいバッグに詰めたので何が入ってるか分からない、と話の途中やっとそこで笑顔が出た。 

実家に電話。 
電話に出た弟に「義妹ちゃん来てる」というと、すかさず母親に代わり「嫁を出せ出せ」うるさい。 
あげく「家事を一切放棄して家を出るなんて何を考えてるんだ」「お前(私)もグルか」とファビョるファビョる。 
昔からこういう性格だったな~と思いながら会話は全て録音。 
弟に代われ、と言っても話を聞こうともせず。 
「うっさいんじゃーーーー!!お前と話をしようと思って電話してきたわけじゃないんじゃボケ!弟に代われっつってんのが聞こえんか、この更年期ババアが!」 
でっかい声で叫んでやった。 
渋々といった感じで弟が電話口に。そこで同居の件を確認する。 
・お母さんはまだ仕事してるのに何で勝手に同居に踏み切った?(家族である私に相談も報告もなかった) 
→自分の仕事が忙しく、お母さんも一人(うちは父親が早くに亡くなっています)だから寂しいと思って・・・。姉ちゃんには帰ってきたときに言うつもりだった。 
・義妹ちゃんに相談したのか 
→自分たちが金を出すのに相談も何もいらないと思った。 
・義妹ちゃんがお母さんとうまくやっててストレスもなく楽しく同居してるように見えたのか。 
→自分はあんまり家にいないし、お母さんからも何を言われたこともない。嫁は慣れないからあれこれ気になるんだろうと思ってた。 

義妹ちゃんと話がしたいとゴネるが、本人が拒否るので「明日仕事休みだろ?こっちに来い」と言った。 
「ふざけんな!なんで俺らが行かなきゃなんねーんだよ!」と言われたが「俺ら、じゃねえよ。お前だけ来い。お母さんは一緒じゃなくていい。一人で来い」 
そうは言っても絶対一緒に来るだろうなとは思った。 
当時私は婚約者(今の旦那)と同棲していて、もちろん話の最中も横で聞いていた。会話を録音しろと言ったのも彼。 
私自身、結婚を機に実家との縁を切るつもりでいたので、義妹ちゃんのために戦ってやろうと本気で思った。 
時間と場所を指定してガチャ切り。携帯オフ、電話線も引っこ抜いたからあとはシラネ。 
次の日。 
義妹ちゃんが携帯の電源を入れると留守電が50件以上。私の携帯にも同じくらい入ってた。 
義妹ちゃんに対するメッセージは最初は怒号。徐々に猫なで声。(主に弟) 
私のは全て怒号。(主に母親) 
義妹ちゃんは1~2件メッセージを聞いて「気持ち悪い」と吐いてしまった。 
それらももちろん全部録音。

準備をして家を出る直前、義妹ちゃんに意思を確認する。 
「義妹ちゃんはどうしたい?軌道修正してバカ弟と一緒にやってく?それとも思い切って別れる? 
私はどっちに転んでも義妹ちゃんだけの味方でいたいと思うよ」 
義妹ちゃんの決意は固く「離婚したいです。申し訳ないけどさっきの留守電聞いて気持ちが悪くなりました。一緒にやってく自信ないです」 
了解。私だけ待ち合わせ場所に行き、義妹ちゃんは体調が落ち着いたら彼が連れてきてくれることになった。 
最初は一緒に行く予定だったが、時間が迫るにつれて顔色が悪くなり吐いたりしてたので、どうせ今日の今日結論出すわけにもいかないし、と。 
待ち合わせ場所には案の定母親&弟の2人。 
義妹が一緒じゃないと分かってまたもやファビョる母親。弟は「どこかに隠れてるんだろ」とトイレや外を探していたがいないと分かって戻ってきた。 
一通りファビョらせといて弟に「お前一人で来いっつったよな?何でコレ(母親を指差し)一緒にいるのよ。そういう約束も守れんか」 
弟が喋り出す前に母親が「親に向かってコレとは何だ!嫁の一大事に息子と一緒に来て何が悪い!」 

それをスルーして「お前は何でこうなったのか全く心当たりがないのか?」と弟に聞く。 
「・・・同居のことならもう済んだ話だ」と弟。 
「そうよ!あんたはどこぞに嫁に行くかも知れないけど、私の面倒を見てくれるのは息子しかいないんですからねっ!」と母親。 
「そうだね、私はもうすぐ結婚するけどそしたらあんたたちとは家族じゃなくなるしね」と言ったら「そんな話聞いてない!」と母親大暴れ。 
そして、私が最後に教えた住所(もうそこには住んでいない)に凸したが別人が住んでたとか、 
職場に行ったら「そんな人はいません」と追い返されたとか(職場を変えたのは言ったはずなんだが) 
私に対する罵詈雑言の嵐。もう慣れっこだけど。 
「何だ、私に文句言うために2人で仲良く遠路はるばる来たのか」と一言言うと、目的を思い出したのかようやく黙った。

ちなみに旦那は法律関係じゃないです。普通のサラリーマンです。 
でもクレーム対応を新人のころやってたので、証拠集め?には録音がいいと 
頭が働いたようです。

 ちょっと脱線するが、私がなんでこんなに実家とうまくいってないのかというと 
昔、被害者として警察のお世話になったことがあって、そのときの母親の対応や言動がものすごい不信感を生むものだったから。 
それ以来、距離を置いて付き合うようになり、就職して遠方に越してからはあまり実家と連絡を取ることがなくなった。 

義妹ちゃんの件に話を戻す。 
「今、どこにいるんだ?」と聞くので「具合が悪いから病院に連れて行ってる」 
「どこが具合が悪いんだ?」 
「さあ。あんたの留守電の声聞いて気持ち悪いって吐きまくって微熱もあったし精神的なものじゃないのかね?」 
「そんなわけがない、お前が何かしたんだろう」と母親。 
「私が何するっていうの?昨日はご飯もろくに食べれなくてあんたが電話口でぎゃーぎゃー言うのを真っ青な顔で聞いてたよ。 
同じことを義妹の目の前でもやってたんじゃないの?」 
「私は嫁に嫁らしくいてもらいたかったから・・・」「そうだよ、お母さんは嫁のことを思って・・・」 
「嫁らしくって何だ。お前の口にあう飯を作って、孫と呼べる愛玩を産むことが嫁の務めか。 
ストレスで生理が止まるほど思いつめるのも嫁の務めか、ああ?ふざけんなよ!」机バーン叩いたった。 

弟が「嫁に会いたい。嫁は何と言っている?別れたいって言ってるのか?」と聞くので 
「そこまでの話は聞いていない。私も突然来られてびっくりしたし正直迷惑だ。早く帰ってもらいたいけど体調が悪いのは仕方がないので 
明日か明後日には帰そうと思ってる」 
もちろん嘘。でも離婚届不受理とか迷惑なことをしでかしたら困るので、あえてそう話をして油断させる魂胆だった。↑の発言も打ち合わせどおりのこと。 
母親にはホテルに戻ってもらい(苦労したけど、旦那の母親が協力してくれた) 
義妹ちゃん登場。顔真っ青。で「ごめんなさい。体調が良くなったらすぐ帰ります」と言って弟を納得させた。

病院に連れて行ってたのは本当。 
私は医療関係の専門職をしているので、義妹ちゃんを心療内科に連れて行くよう婚約者に頼んでおいた。 
病院は以前お世話になったことがある先生が開業したクリニックなので、信頼できたしある程度融通も利かせてもらえた。 
そのあと産婦人科へ。これは私が勤務する病院。吐き気が止まらないというので、もしかしたら?の可能性もあったので診察してもらうよう勧めた。 
両方の病院に診断書をもらっておくようにとも伝えておいた。 
弟は義妹ちゃんの顔を見て安心したのか、それとも母親がいなくなって寂しくなったのかあっさり引き下がった。 
そして「嫁のこと頼む」といってホテルに戻っていった。 

万が一後をつけられても嫌だと思ったので、タクシーで婚約者の実家へ。今夜はこっちで過ごすことにした。 
義妹ちゃんの許可をもらって、診断書を確認。心療内科のほうは鬱とPTSD、産婦人科はストレス性の月経不順(母体は妊娠に影響なし)というもの。 
予想通りだったので「これを証拠に離婚してすっきりさせようね!」と言ったら、安心したのか義妹ちゃんは泣いてしまった。 

蛇足。 
脱線部分についてですが。 
高校のときに暴行未遂にあって、警察に保護されたんです。 
で、被害届を出して・・・と思っていたら公務員であることを重んじる母親が勝手に示談で済ませてしまって。 
「お父さんがタヒんでからあんたたちを育てるのにどれだけ苦労したか」「私が公務員じゃなかったらあっという間に貧しい生活になってた」 
「高校まで行かせてもらえてありがたいと思え」などなど、まあ生活がどうこう言いつつも、自分の保身に走ったわけです。昇進直前でしたしね。 
加害者はその後違う女性を襲って逮捕されました。あの時私が被害届を出してたら・・・と思うとその女性に申し訳なかったです。

あとは数日のんびり過ごした。 
昼間は婚約者の両親が義妹ちゃんの面倒を見てくれて、心と体力回復のためにと観光地めぐりをしてくれたり、買い物に連れて行ってくれたり 
美味しい食事を作ってくれて本当に助かった。 
私の方には実家から何度も連絡が来たけど「病人の回復も待ってやれんか?」と言うと黙って電話を切ってしまうので、それでスルーしてた。 
母親は「どこが悪いのか?」としつこく聞いてきたが「吐き気が止まらないっていうんだから、あんたが待ち望んでる孫でも出来たんじゃね?」と言ったら 
一気に孫フィーバー。それはそれで放置。 
義妹ちゃんは自分の実家に自分で連絡して説明してた。途中で私が代わって謝罪もした。責任持って後のことはやります、と言ったら、お願いしますと言ってもらえた。 
で、婚約者と私がまとまった休みを取って実家に戻ることになった。 
婚約者同行の建て前は私との結婚報告(あくまでも報告)本音は私の暴走ストッパー係。いろいろ情報収集をしてくれていたのでそれも助かった。

実家には帰る日を伝えてあったが、実際それより2日早めて帰省した。 
まず弁護士の確保。これが一番手間取った。電話相談じゃダメだし実際会わないとどうにもならないし。 
5人と面接?を予約して、2日かけてようやく離婚に強いしっかりした弁護士さんを選ぶことが出来た。 
次に役所に行って緑の紙をもらってきた。確認したら離婚届不受理は提出されてなかったので、あとは弁護士さんに一任。 
義妹ちゃんはパート先を体調不良で退職。 
ちょっとづつ義妹ちゃんの表情が固くなってくるのが分かった。 
で、事実上の帰省当日。 
まずは私と婚約者で結婚の報告。「聞いてない」とファビョる母親だったが 
「みっともないまねしないで。あんた、彼のお母さんに土産代出させたんでしょ?どれだけ恥知らずよ」と言ったら沈黙。 
「もう入籍も済ませた(嘘。役所に行ったとき戸籍関係の書類を一式もらってきたので当時はまだ未入籍)から。今までお世話になりました」と頭を下げてやった。 
そこに弁護士さんと義妹ちゃん登場。

「何だ、どういうことだ!」「今まで騙してたの?」とファビョる母親と弟。 
義妹ちゃんが「もう耐えられません。限界です。離婚してください」と震える声で言ったら母親平手打ち。 
「何だこの恥知らず!息子を傷物にする気か!」と怒鳴る怒鳴る。 
私が思わずクスッと笑うと「何がおかしい!」 
「だってあんた、今、誰の目の前で何した?自分の立場わかってなさすぎなんじゃねーの?」 
思わず真っ青になる母親。赤くなったり青くなったり忙しいのう・・・と思ったら笑っちゃってダメだった。 
弁護士さんが「そうですね、見てしまった以上これはどうにも・・・」と言うと、大慌てで「ごめんね、手が滑って」とか意味不明。 
弟が「何か理由なんだ。僕にはまったくわからないよ」とお花畑満開な発言をするので、私との電話の会話&地元に来たときの会話を改めて聞かせる。 
それでもポカン状態だったので、弁護士さんの許可を頂き、私が爆発した。 
「お前がやってたのは、義妹のためにいっこもなってなかったってことだよ! 
結局お前はこのババアのご機嫌取りと自分が楽になる方法を選んで、嫁である義妹の存在を無視した阿呆なことしかしてなかったってこと! 
それで見切られても仕方ねえだろって言ってんの!子供が出来ないのはどっちのせい?どっちが悪い?笑わせんじゃねーよ、 
義妹ちゃんはね、ちゃんと病院で診察もしてもらってどっこも異常がないの。所詮あんたが種無しだったんだよ。 
役立たずって罵倒されるのは義妹ちゃんじゃない、結婚しても親離れ出来なかったマザコンのお前だよ!」 

ついでに…

母親に向かって 
「私はあんたを母親だと思うことがどれだけ嫌だったか。弟が結婚して義妹ちゃんに女家族としての責任を押し付けてきた気がして申し訳なかった。 
その分好きにさせてもらった。でも、自分の娘を娘とも思わないことしてきた人が、他人である嫁を大事にするわけないよね。もっと早く気づけばよかったけど 
あんたに関わりたくない一心で今まで義妹ちゃんにまかせっきりだった。あんたは息子しかかわいがれないかわいそうな母親なんだよ!!」 

言い終わったら涙が出てた。義妹ちゃんも泣いてた。婚約者が横で手を握ってくれたのが救いだった。

その後は弁護士さん主導で一気に離婚へ。録音データや診断書、 
あと弟が義妹ちゃん名義の預金を勝手に引き出してたことも判明し、慰謝料をがっぽり。 
もちろんロミオメールや母親の恫喝スレスレメールなども来たけどそれは弁護士さんへ。 
私は帰ってから入籍し、今は旦那の実家で2世帯wです。 
元義妹ちゃんは実家に戻ったそうです。時々メールや電話が来ます。 
バカ母親&弟は絶縁したから知りません。知りたくもないです。 
旦那はエネ夫のお花畑状態を目の前で見たからか、自分の発言が気になるようで 
「僕、大丈夫?」と時々確認してきます。 

(Visited 226,351 times, 1 visits today)
taka:

This website uses cookies.