2024/06/08
A子が日常のあれこれをまめに話す相手は、
離れて住んでいる母親と、中学からの親友(女)の二人だそうだ。
母親はいくらなんでも除外するとして、
その親友を疑わざるを得ないことに、A子は深く悩んでいた。
社内で誰かが携帯をこっそり見たりして、個人情報を盗んだんじゃないか。
疑心暗鬼のA子はそう考えるようになった。
「そう考えると同僚のオタ男が怪しく思える、
よく私の周りを意味もなくうろうろしている」と言う。
言われてみれば、A子の近くの席にいる私も、オタ男をよく見かける。
人と目を合わせてしゃべらない、
猫背でいつもうつむいていて飲み会にもあまり来ない、
何を考えているかわからない人で、
たしかに怪しいといえばいちばん怪しかった。
いかにも暗い片思いをしてネット上でストレス発散しそうなタイプだ。
716: 4/8 2007/08/16(木) 23:18:35 ID:Fjg3WUmC0
しかし、疲れ切ったA子が、手近な怪しそうな人に
責任を転嫁したがっているだけとも考えられるし、
何よりオタ男が何かしたという証拠もない。
その週のブログに、A子は決定的な記述を見つけた。
ある日の彼女の服装がわりに細かく書かれていたのだ。
その服を着た日は会社の人としか会っていない、と主張する。
それでは会社の人がやっているとしか思えない。
私は、社内ネットワークを管理しているエンジニアさん
(私のパソコン研修時の担当でときどき話す人)に、
自分のこととしてこう聞いてみた。
「最近、私のメール、開いた覚えのないやつが、
ときどき既読になってるんですよ。
誰か読んでたら気持ち悪いなー」
718: 5/8 2007/08/16(木) 23:21:16 ID:Fjg3WUmC0
エンジニアさんは、早くパスワードを変えたほうがいい、と忠告した。
「でも、私のフリしてログインしても、
読めるのって業務メールだけですよね?
(うちの会社は会社のアドレスでの私用メールや、
会社のPCでの私用ブラウズを厳禁している)
私そんな重要な仕事してないんだけどなあ」
と言うと、エンジニアさんは、
「パスワード変えてもまだ変なことがあるんだったら、
私子さんの勘違いですよ。勘違いじゃなかったら本格的にヤバイ」
と笑った。