2024/06/08

590: 名無し 23/02/01(水) 23:50:11 ID:vn.em.L1
3ヶ月ぐらいしてやっと父からテストの回答が来た
封筒を開けたら煙草とバキュームカーとドブ川を足してもっとひどくしたような悪臭がぷわーんとした
全問見当違いのハズレばっかり
この時の私は大人の字=みんな正しい綺麗な字だと思ってたけど、伯父さんが「きったない字だなぁ」と言うので、ああ父の字は汚いんだとやっとわかった
兄が採点して大きく0点と書いて、さらに追試を送った
追試にはカウンセリングと伯母さん家での平穏な生活のおかげか、少し目が覚めかけてた母の出題も入れた
問題は「母は兄が乳児の頃、兄ともども栄養失調で入院した。その理由は何か」
正解は「父が実家の事業を潰して逃走したため事業の負債を母が自腹で補填するはめになりさらに父が生活費を全く送らなかったせいで母は無一文だったから」
やっと母が父の居場所を探し当てて夫婦で暮らす事になったのは兄が2歳になってかららしい
この話は私達兄妹も初耳でもう絶句するしかなかった…
父はあれだけ、男とはこうあるべきだの思いやりの心をだの家族とはなんだのかんだのと何度も何度も暴力込で私達に説教していたくせに…
伯母が「私達の故郷は男尊女卑な地域性だったしあのときはそういう時代だった。でも、もっと早く動けば良かった」と泣いていた
肝心の父はというと、この事を忘れていた
負債の返済、毎日のように送られる督促状や内容証明の対応などの尻拭いをぜーんぶ母に任せて2年間逃げ回っていた事も全部きれいさっぱり忘れてた
父に、父宛ての督促状や内容証明、事業を潰した時の書類とかを見せてもキョトンとしてたらしい
母と父の離婚でお世話になった弁護士さんが
「あれはとぼけてるとかじゃなくて本当に忘れてますね…身重の奥さんにここまでなにもかもおんぶにだっこで尻拭いしてもらって全部忘れるとか…こんなこと本当にあるんですねぇ…」と汗をふきふき言ってた
弁護士さんは父と同じぐらいのおじさんなのに何でこの人は父とこうも違うんだろうと思った
流石の母も「ふざけるなー!!」って父をひっぱたいたらしい
そういえば母はふだんは父に虐げられていつもオドオドメソメソオロオロしていたが
ごくごくたまにキレる時があってそんな時は父の方がタジタジだった
母は「あれはサービス問題のつもりで入れた、あの人が歩み寄るきっかけになると思って、でもまさかかけらも覚えてないなんて!」と泣いていた
ここまで家族の事を知らない人間と家族やっていけないという事で離婚が成立した
母のカウンセリングの診断書や私達兄妹の証言などもあってスムーズに済んだらしい
父は最後まで抵抗していたけど、兄と伯父さんがだったらあのテスト1問でも正解してみろ!と一喝してた
兄も私も自立して今はそれぞれ別で暮らしてる
父は現状は知らないけど父方親戚から時々、帰ってあげなさいとか宗教の本とか送って来たりするけどガン無視してる
あの時お祝いパーティしなかったら、兄が空手を途中でやめていたら、こうはならなかったのかもと思う