2024/06/08
お礼にと夫経由でお菓子を贈ったら、丁寧な手紙付きで当地の名産品を送ってきてくれるような子だった。
だけど激務がたたって体を壊したうえ、最後は旧態然とした上層部と対立して辞めていった。
温和な夫が「うちの会社は優秀な人材を潰した」と怒りながら悔やんでいたので、
その時のことはよく覚えている。
土曜、脱衣所に古い携帯が落ちていたので「これ誰のだっけ?」と中を確かめたら、夫が以前使っていたものだった。
未送信メールがたくさんあって、どれも夫があの子に充てて書いた思われる内容だった。
浮気を疑って他のメールも見てみた。
そしたら彼女からのメールが上限数いっぱいに保護されていた。
「明日は駅西口で7時に○さんと待ち合わせです」
「資料できたので明日イチに確認願います」とか業務連絡ばっかり。
それに対する夫の返信は淡泊で、ほとんどが「了解」の2文字ばかり。
未送信メールにあるような優しい文面は、実際には一度も送ったことがないみたい。
送信済みの中に唯一長文があったけど、
夫が酔って何か失礼なことをしたらしく、それを謝る内容だった。
それに対して彼女からは、
「厳しい上司の珍しい姿を拝見できて、部下一同光栄の極みです。
今日は私に任せてゆっくりお休みください」って冗談を交えてはいるものの、
すごくさっぱりした返信だった。
273: 名無しさん@おーぷん 2015/07/21(火)00:34:50 ID:FGL
未送信メールはその子が辞めてから今に至るまでの約2年にわたり、
1~2か月に1回くらいのペースで継続的に作成されてた。
最近のはつい先週の日付で、「そちらが大雨だとニュースで見た、大丈夫だったか」というものだった。
退職してすぐの日付のメールではもっと露骨に心情が出ていて、
「俺では頼りなくて相談相手にもなれなかったのか」
「○さんを守れなかったことを今でも悔やんでいる。俺も一緒に辞めればよかった」
「会社だとか上司だとか以前に、もっと俺を信頼してほしかった」
「隣に○さんの姿がない。寂しい。もう一度だけでも声を聞きたい」
というのを見つけて心が痛んだ。
だけどどれも実際に送った形跡はなく、それどころか退職後に連絡を取ったこともないみたいだった。