おはなしカフェ

美術部から悲鳴が聞こえたので駆け込むと、油まみれの勘助が鬼の形相になったAさんに胸ぐらを掴まれていて…

time 2022/08/04

美術部から悲鳴が聞こえたので駆け込むと、油まみれの勘助が鬼の形相になったAさんに胸ぐらを掴まれていて…

そこで被害にあったのが、学校にほとんど来ないAさん。
Aさんは美人で、美術部に所属していた。
美大進学も天秤にかけたほどの実力で、素晴らしい作品を出していた。
しかし学校に来ないからか、あまり友達はいないようだった。
さて件の勘介、Aさんが来るたび付きまとう。
隣に座り、自分の武勇伝を話しているようだ。
「池袋で絡まれたんだけど、俺の顔見たら青くなって逃げてったんだよね~」
「君のことを守ってあげる。だから恐がらないで。」
(後ろにいたので丸聞こえ)
Aさんは返事なし。
そして事件は起きた。
Aさんが美術部で片付けを1人でしていた時のこと。
隣の部室で将棋をさしていた私の耳に聞こえた、ずた袋を裂くような悲鳴。
何事かと思って急いで美術部に駆け込むと、汚い油まみれになった勘介が座り込んでた。
そうか、あの悲鳴は勘介か。
と納得していたら、鬼の形相のAさんが勘介の胸ぐらを掴んだ。
もう私にはハードラックとダンスっちまった人にしか見えない。
A「人がいて丁度いいや。誰が誰を好きだって?」
勘「いやっ…だって…」
A「さっきまでほざいてた寝言を言ってみろよ。誰が誰を好きなんだ?」
勘「き、君が…その、俺を…」
ここで言い切らない内に、Aさんが勘介の顔面に改心の一撃!!
吹っ飛ばされて私の足元に転がる勘介。
びっくりしてよろけた拍子に踏んづけちゃった…ゴメン
A「勘違いにもほどがある。心底気持ち悪いわ。あんた胸はって親に報告できんの?」
そう言ってAさんは部室を出ていった。
勘介は啜り泣いていたけど、ぶっちゃけ自業自得と思って放置した。
385: おさかなくわえた名無しさん 投稿日:2007/12/03(月) 14:02:38 ID:SMqRpAdn
翌日、ちょっとした騒ぎになってた。
女子に大人気のBとその友達のC(Aの彼氏)がなにやら女子と揉めていた。
一部始終を見ていた友達に聞いてみたら、驚く事実が判明した。
先に書いたように、B君はすごく女子に人気があった。
真面目だがユーモアがあり、成績も抜群、顔もセンスもスタイルもいいという、かなりパーフェクトな人だった。しかも(本人曰く)むちゃくちゃ可愛い彼女が他大学にいる。
そんなB君とC君は、入学当時からとても仲がよかった。
しかし無愛想で目付きが悪く、無口なのが、女子にとっては近寄り難かった。
真面目で誠実なB君は、うちの科の女子と遊ぶことはなかった。
しかしC君と遊ぶときには、頻繁にAさんとも一緒に遊んでいた。
友達の彼女なんだから当然といえば当然なんだが、女子はいたく気に入らなかったらしい。
それが原因で、一斉にAさんを無視しだしたらしい。
それでもB君との付き合いが止まないAさんに更なる制裁を、と考え、件の勘介を利用することにした。
つまり勘介な
「Aさんて勘介の事が好きらしいよ」と唆したということ。
あとは勘介の暴走に任せたところ、美術部でAさんに襲い掛かり、返り討ちにあったと。
それを女子の一人がうっかりB君の友達(Cではない)に武勇伝的に喋ったことで判明。
B、Cともにブチ切れという流れでした。

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