2024/06/08
半年後には父の収入減や通う負担を減らす為に、マンションから近くの安いワンルームに引っ越した。
寝るためだけの家になりかねないと父から話が出た時にある程度は覚悟した。
その時点で父はかなり疲弊し、十分に介護ができていなかった。父と交代したらまずは父の尻拭いをしなければいけなかった。
朝から晩までは父が、夜中は私と母が交代で介護をした。家族の会話は無くなり、家から笑い声は消えた。
自分が帰った時に寝ている父を見ると殺意を感じたこともある。
引越してからたった数カ月で家族は駄目になった。母は仕事に行ったまま帰って来なくなり、父はボーッとしているか泣いているかだった。
私はどうやって祖父母と両親を始末しようか考えていた。
そうなる前に何度も行政に助けを求めたが、健康な成人が3人も居ると相手にされなかった。母が行方不明で父が鬱っぽいとも訴えたがあなたは元気でしょう?だって。
祖父母の介護と父のサポートと自分の仕事とで回るわけが無かった。
もう皆を始末するしかないとスーパーで刃物を物色している時に警察に声をかけられた。異常な目をしていたために店員から通報があったのだと後から聞いた。
そこで始めて警察に助けを求めた。辛くて今から祖父母を始末します。
上手くできるかは分かりません。出来なかったら私が死ぬまででです。と言ったことは今でもはっきりと覚えている。
そこからあっと言う間に行政の手が入り、父も私も回復し、祖父が亡くなった今は軽いサポートで介護ができている。
あの時通報してくれた店員さん、話を聞いて助けてくれた警官さんには感謝しても足りない。手にかけなくて本当に良かった。