おはなしカフェ

「私子がぬこ子ばっかり可愛がるから!」「この際猫抜きで付き合いたい!」

time 2022/11/07

「私子がぬこ子ばっかり可愛がるから!」「この際猫抜きで付き合いたい!」

私子は交際相手に尽くしてしまうタイプで(多分猫を可愛がる意識と似ている)
彼男が私子家にきてべったりでも苦にならなかったしお母さん的役割をこなしてもてなしていた。
彼男はそんな環境を好んでいたようで毎日来るようになり、ぬこ男の世話をまとめて
するようになった。私子はぬこ男がかわいそうに思い、せめて寝るときは
帰ってぬこ男の世話をしてと頼んだ。すると彼男は
「私子は俺が邪魔なんだろう?」「ぬこ男はちゃんと生きてるし、メシだってやってきてる。
私子と一緒にいたいだけなのに。」とふて寝し始めた。
私子は大の猫好きな彼男が猫の世話を放棄するはずないし、私が仕事中の彼男の生活は
わからないのでぬこ男の世話はその時間で見ているんだな、と解釈してその場は
深く追求しなかった。

515: 512 2010/10/05(火) 23:50:32 ID:SuW00rxxO

しばらくその生活が続き、彼男もぬこ男の写真を見せてきたりして私子も安心していた。
しかし、暑い日が続いた8月。私子は熱中症症状にて仕事を早退して帰宅した。

部屋から音楽とエアコンの外気の音が聞こえる。恐る恐る鍵を空け中に入ると
中には彼男が…(合い鍵は渡していない)。キョドる彼男。
彼男は1ヶ月前くらいから合い鍵を勝手に作り、好きなときに私子の家に
きていたという。(電気代はまだ請求きてなくて見れなかった)
彼男の家にはエアコンがなく、暑さしのぎにきていた、と。

私子はそんなことより、猛暑の中残されたぬこ男のことが心配になった。
「ぬこ男はどうしてるの!!」
「……実は、死んじゃったんだよね。老衰だと思うんだけど~。寂しがると
思って言わなかったんだよね。一人で頑張って庭に埋めたんだ!」

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