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「男の子だったから、『三ツ星』って書いて『エース』っていう名前(仮名)にしようと思ってるの」

time 2022/11/10

「男の子だったから、『三ツ星』って書いて『エース』っていう名前(仮名)にしようと思ってるの」

でもやっぱり気になる。

普段の親友を思い出せば思い出すほど、後から後悔するとしか思えない。
一晩悩みに悩んで、例えこれで縁を切られても
言うべきことは言ってやるって腹をくくって翌日も病院に。

緊張しながら会った彼女はなんか堅い顔してて、
私が何か言うより先に「昨日はごめんね」って手を合わせた。

それで「やっぱり子供の名前は『直樹』(仮名)にしようと思って」ってあっさり言った。
旦那さんとちょっと似た名前で、凄く普通。
覚悟決めて来たのに、私何も言うことない。全身から力抜けて倒れそうになった。

んで「私もそっちの方が良いと思うけど、どうして」って聞いたら、携帯のボイスメモを見せられた。

メッセージ的なタイトルのが何件も入ってて、
その最後のを再生してもらったら、流れてきたのは凄く落ち着いたいつも通りの彼女の声。

「出産を終えた私、元気ですか。体は大丈夫ですか。
子供は元気ですか。元気じゃなかったなら、その事を気にしていたりしませんか」
みたいなことを、凄く優しい声で言ってる。悪阻が始まるよりさらに前に録音したっていう、
彼女から彼女へのメッセージだった。

旦那さんのちょっとした言葉を悪く捉えたりしてないか、
両親の言葉に無用なプレッシャーを感じてたりしないか、って感じで色んな心配をした後、
最後に「子供に変な名前をつけようとしていませんか。
私は男の子なら直樹、女の子なら早樹が良いと思っています。
子供が歳を取って大人になって結婚して子供が出来て孫が出来て、
例え孫に呼ばれても恥ずかしくない名前にしてあげてください」っていうのが入ってた。

思わず「おじいちゃんにエースはないよね」って言ったら、
彼女真っ赤になって「それはもう忘れて!」って。

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