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義理チョコもむやみにあげるもんじゃねーなーと思ったお話し

time 2022/12/14

義理チョコもむやみにあげるもんじゃねーなーと思ったお話し

その年のバレンタイン、昼間サークルだった私は、
サークルのメンバーに配った義理チョコの余りを持ってバイトへ向かっていた。

バックヤードに入ると、珍しく夜の勤務の時間にも関わらずその店長が居て発注などをしている。
珍しいなぁと思いつつも挨拶をして、制服に着替え、シフトが始まるまでの短い時間を、
パソコンに向かう店長の後ろでぼんやりと雑誌を眺めていた。

そこで、私はふと余った義理チョコの存在を思い出して
紙袋から取り出し、店長に声をかけた。
「すみません。今日バレンタインデーで
いつもお世話になっているのでこれ、良かったらどうぞ」
本当はあげるつもりは無かったんだが
「ありがとう」
と店長も何事も無く受け取ってくれた。

昼間のシフトはフリーターの男の人ばかりだから、
今年貰ったのは私からだけだとか、なんだか嬉しそうに言うので、
「いつもお世話になってるからです。シフトあまり入れなくてすみません。」
など、たわいも無い話をしてから、時間が来たので仕事に入った。

336: 恋人は名無しさん 2010/02/13(土) 23:48:27 ID:By7YpM/X0

携帯におかしな着信が来るようになったのは、その次の日からだった。
まずはとりあえず非通知で無言。
こちらが何度声をかけても返事をしない。
でも誰かが聞いている雰囲気はあるので「やめてください」と電話を切ると、
また直ぐ電話がかかってくる。

非通知拒否をすればよかったのは重々承知なのだが、大学のサークルの関係上
非通知でかかってくる電話もあり、残念ながら対応することが出来なかった。

悪戯電話に出られないときは留守番電話に○Vの女の人の音声が延々と入っていたり、
なんだか荒い息遣いが入っていたりと、気持ち悪い思いをする日が続いた。

ある日の朝もその非通知着信で目が覚めて、
寝ぼけ半分に電話に出たところ、やっぱり無言。
「…なんなんですか?」
今まで直ぐに無言だと分かったら電話を切っていたのだが、
寝起きのため冷静な判断が出来ず、思わず不機嫌を思いっきり全面に押し出して声をかけたところ、
数秒の無言の末に
「……おはよ。」
と言われて電話を切られ、まさに寝起きだった自分の行動を
まるで見られているかのようで流石に怖くなった。

彼氏と居る時に電話がかかってきたこともあり、
事情を知っていた彼氏にその電話に出てもらったりもした。
その日は荒い息遣いの日だったらしく、彼氏が声をかけた瞬間電話は切れたらしい。
それから暫く電話がかかってこなくなったので、少し安心をしていた。

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