おはなしカフェ

娘が学校から帰宅後、暗い顔をしたまま 何も言わず自分の部屋へ籠もった…

time 2023/04/11

娘が学校から帰宅後、暗い顔をしたまま 何も言わず自分の部屋へ籠もった…

すると、
娘「2人が抱き合った時点でお父さん達を突撃しようとしたけど、
私は頭が悪いからお父さんに言いくるめられるかもしれないと思った。
だからお兄ちゃんに相談しようと思って写真だけ撮ってきたの。
いざという時にお母さんに有利になるだろうから」

娘が撮ってきた写真は、あの1枚だけではなく、
現場を証明できるくらいの枚数がありました。

娘は17歳です。
まだまだ多感な時期だし恋にも憧れる年頃なのに、
自分の父親のあんな姿を見てしまったなんて…。娘の気持ちを思うと胸が痛みます。
それでも娘は何かの役に立つからだろうと私の為に行動に移してくれたのです。
そして息子も、自分が責められる事を承知で私に報告してくれたのです。
そんな2人の気持ちが伝わり、やっと私は我に帰りました。

私「ゴメンね!2人とも疑がったりして本当にゴメンね!」
私は息子と娘を抱き締めました。
そして、ひとしきり泣き明かした後、そのままリビングで家族会議を始めました。

娘「お父さんが帰ってきたら、この写真を見せて問い詰めようよ!
もしくは今から女のアパートへ殴り込みに行こう!」
気持ちが落ち着いたのか、いつもの勝ち気を取り戻した娘。

そんな娘に対して、
息子「アホかお前は。今そんな事したら面倒な事になるぞ。ちゃんと計画を立てるんだ」
と冷静な息子。

そして私はというと、
この期に及んでまだ夫に対する想いを消化できずにいました。

情けない事に、私は事実を知らされても夫を好きな気持ちは消えませんでした。
20年以上も一緒に暮らしていたのだから仕方はないのですけどね。
このまま夫婦関係を続けていくか、ケジメを付けて離婚をするか。
一体私はどうすべきなのか…

因みに私は特殊な資格を持っていて夫よりも年収が高いので、
子供を育てて行く上で経済的に困る事はありません。
だから後は私の気持ち次第だったのです。
結局その日は、話がまとまるまでは夫に黙っていようと言う事で会議は終わりました。

それから数日の間、私は動揺を隠しながらも何事もないよう夫と接してました。
あまりにも平然としている夫を見ていると、
あの浮気は嘘なのではないかとまで考えてしまいます。

だが息子と娘は違いました。

娘は夫の顔を見ると気分が悪くなってしまうようで、
ほとんど口もきかず部屋へ入ってしまいます。

息子は娘と私の手前、普通に過ごしてはいましたが、やはり元気がありません。
驚く事に、夫はそんな子供達の様子を少しも気に止めるそぶりも見せませんでした。
このままでは子供がおかしくなってしまう。そう分かっているのに未だに決断ができない。

そんな自分に苛立ちを感じていた頃、ある女性が私の元を訪ねてきました。
彼女の名前はAさん。
夫が所長をしていた会社の部下で、会社のイベントや他の部下と一緒に
家に遊びに来た事もあったので顔は知っていました。
この時私は”まさかAさんまで夫の愛人だと言うのでは”と身構えてしまいました。

「突然お邪魔してしまい申し訳ありません。実は折り入ってお話したい事がありまして」
「いえ、あの…一体何があったんですか?」
するとAさんは緊張した面もちでこう切り出してきました。

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