2024/06/08
同時に乾いた音がした。
頬を押さえる後輩たちを、ある女の子が冷たく見ていた。
小中学生の時は、特に女の子は、誰からも憧れられる子がいたでしょう。
その子もそんな女の子の一人で、彼女と仲がいいことが女子たちのステイタスになっていた。
「(私)が手を汚すことはないわ。それは私の役目よ」
そう言うとパンッともう一発後輩たちの頬を叩いた。
「後輩が先輩馬鹿にするなんて礼儀知らずにもほどがある。ましてやあんたたちごときが私の親友を傷つけるんじゃない」
冷たく言い放つと私の腕を取った。
「彼女は私のただ一人の親友よ。大事な友達を馬鹿にすることは許さない。彼女だけなんだから。私とありのままで一緒にいてくれるのは」
それ以来、私の立場が気持ち悪いくらいに変わった。
でも、私は変わらずに変人であり続け今に続き、あの子も華であり続けている。
だけどあの時の言葉は忘れない。
すっとしたと同時に心から友情を感じた瞬間でもあった。