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俺「寺の娘と結婚したいから脱会したい」すると…

time 2025/03/07

俺「寺の娘と結婚したいから脱会したい」すると…

342: 本当にあった怖い名無し 2013/07/23(火) 23:57:08 ID:SbAcZn8b0
俺はそれから、卒論のゼミをブッチしまくりつつ、ひたすらバイトに明け暮れた。
とにかく、卒業までに両親が知らないところに逃げるつもりだった。
数ヶ月後、「このままでは卒論の提出が出来ないから、指導教授のとこに顔出せ」という
名指し掲示が貼り出される頃、やっとある程度まとまった金が出来た。

俺は両親に「大学行かせて貰ったお礼」と称して、やっすい温泉旅行をプレゼントした。
卒論も順調なものと思っている両親は、涙目になって喜んで出かけていった。
無人の実家の前に、こっそり購入した中古の軽をつけると、トランク一つに詰め込める
だけ詰め込んで放り込み、仏壇と金属バットを積んで、逃げ出した。

下道を百五十キロくらい走って、どこかよく知らない浜辺に、SGI仏壇を置いて、バットで
ぶん殴った。電動式で扉が開く、黒光りするこの仏壇は、随分と丈夫にできているらしい。
まるでうちの両親の信仰心のようだ。
カドに当たった金属バットがひん曲がってしまった。
それでももう一発お見舞いしたら、中からありがたいありがたい紙製ご本尊が飛び出して
来た。俺はバカ笑いしながらライターで火をつけた。

あれから、もう十年近くになる。
彼女との間に生まれた娘が、五歳になる。

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