2024/06/08
オーナーは強面だけど、それでもなんとか断ろうと思って「このあと予定が…」とか「残業になりますか?」とか
必氏に断ろうと頑張ってみたけど、金はだしてやるからとにかく行け!と。
最後の方は口調が乱暴になりつつあり、もうおとなしく食事に行ったほうがこの状況よりマシかもと諦めた。
本当にご飯食べるだけかもしれないし…とか、なんとかいい方向に考えるようにして、着替えて通用口から出ようとしたら
オーナーが待ち構えてて「正面玄関にAさんが車で待ってるから、そっちに行け」って言われ逃げられなかった。
もう半泣きで、Aさんが運転するなんかよくわからないけど高級そうな外車に乗って高級ホテルのレストランに行った。
田舎から出てきて、一人暮らししてちょっと派手目なファッションするようになった自分を恨んだ。
中尊寺ゆつこの漫画のキャラみたいなファッションしてた。だから軽い子と思われたんだと後悔した。
Aさんはクラブの上客で、当時50歳ぐらい。仕事は何をしているのか私は知らなかったけど
指に金のでかい指輪2つつけてて、派手なシャツと高そうなスーツなんだけど小柄な西田敏行みたいな感じ。
でもいままで受付のマニュアル的な会話以外したこともないし、Aさんと世間話すらしたことなかった。
今思えばオーナーも30代であんな高級ジム経営してたし、ちょっとアレな人たちだったのかもしれない。
ホテルの最上階の夜景が綺麗なバーに初めて入った。そこでほかの席とちょっと離れた予約席みたいなところに通され
お酒をAさんが注文した以外に二人共沈黙。もう怖いやら心細いやらで逃げ出したかった。
そのままお酒がきて、どっちも無言でチビチビ飲んでいたら、Aさんがカバンから鍵を3つだしてテーブルに並べた。
なんだろうって思ったらAさんが
「これは君のマンションの鍵ね。駅に近いし眺めもいい。一人で住むには十分だろう。私は週に2回は行けると思う。
こっちは君の車の鍵。(外車だったと思う)免許持ってる?ないなら学校代もだしてあげるよ。マンションの駐車場にあるから。
それと、こっちは今日の部屋の鍵(ホテルの部屋)」
もう、首を左右に小刻みに振って「ダメですダメですダメです」ってずっと言ってたら涙が出てきた。
するとAさん「ひょっとして君、未経験?」今度は上下に首を振りまくっていたけどもう嗚咽で喋れなくてングング言うしかなかった。
Aさん、しばらくポカーンと私を見てたけど頭を掻きながら「なんだなんだ… そっか…」って困った顔してて
それまできつい感じの目つきがちょっと優しくなったような気がした。そして私の年齢や学校の話、地方出身だというと
その地方のいいところをいっぱい言ってくれた。そしてバーなのにコーヒーを注文してくれてそれを飲んでいたら少し落ち着いた。








