2024/06/08
夏休み、勿論遊ぶ友達もいない俺は1人、近所の婆さんが細細とやっている駄菓子屋に入り浸っていた。
小学生時代友人と毎日のように溜まっていた場所だが、中学に上がり同級生は誰もこず、住居の一部を店舗にしたお店だったので、奥には座敷があり常連はそこでたこ焼きを食べる権利があったので、そこでたこ焼きを食べながら宿題をしたりごろごろしていた。
婆さんは最初「最近あの子らはどうしたの?」と聞いてきたが、環境が変わると人は変わるんだよばーちゃんーなんて言っていたらそーかぁーと言いながら、焦げたたこ焼きをくれるだけでそれからは何も聞いてこなくなった。
ごろごろ過ごして一週間程たった頃、座敷で寝てると
「あれ、お前クラスの○○じゃね?」
と突然声をかけられた。
見るとクラスのリーダー格二人組が水飴舐めながら立ってた。
そいつらは、イケメンで女子とも仲良く、明るく男子からも憧れられる存在で、入学二週間程でクラスのトップグループになるようなやつらだった。
本当にちびまる子ちゃんの大野くんと杉山くんのような二人だった。
そんな目立つ二人なのに、二人はいじめにも無関心で、挨拶程度は交わしただろうがクラスの人間と関わる気の失せていた俺は、最初同じクラスと言われても名前もわからなかった。
「そうだけど、すまん!名前わからん」
そう言うと笑いながらお前ひでーwと言い自己紹介してくれた。
二人は小学校は別の学区でこの辺りは余り来たことがないので、中学生になったので行動範囲を広げようぜ!とこのへんを散策していたらしい。
婆ちゃんが多分ふざけて、常連以外は座敷あげへんけど俺くんの友達なら特別やで!というと、まじか!お前すげー権力持ってんじゃんwとか言いながら座敷に上がってきて一緒に駄菓子を食べた。
それからちょくちょく二人は駄菓子屋にやってきて、夏休みはそこで一緒に宿題をしたりたまに水風船で遊んだりして過ごした。








