おはなしカフェ

久しぶりに実家に帰ったら見たこともない美人がいた→彼女は俺の嫁だという→結果…

time 2020/03/11

久しぶりに実家に帰ったら見たこともない美人がいた→彼女は俺の嫁だという→結果…

しばらく騒いだところで、一度座って話すことになった
父は、改めて俺に『Aさん(その女、仮名)を覚えていないのか?』と聞いてきた
俺は当然『それ以前に知らない』と断言した
そしたら、Aは泣き始めた
おまけに母まで泣き始めた
父は、すんげえ難しそうな顔をしてた
なんか俺一人悪者になった気分だった

そしたら、しばらく何かを考えていた父が、家の奥に行ってからアルバムを持って来て、俺に見せた
そのアルバムの中には、俺の写真があった
そして、俺の隣にはAがいた
どうやら旅行の写真のようだが、写真に写る場所(有名な温泉地)なんて行ったことない
なんだコレって思いながらページをめくっていったら、結婚式の写真まであった
しつこいようだが、俺は本当に結婚なんてした記憶がない
なのに、その写真の中の俺は、Aと結婚してた 。

アルバムを見てたら父が説明してきた
1年くらい前に、俺がAを連れて家に来た
そして、結婚することを告げたらしい
その時から1年前に、俺は結婚したとか
ただ、その時の俺は仕事が凄く忙しかったから、しばらくAは俺の実家で過ごすことになったらしい
それは、俺が両親に頭を下げて言ったとか
Aも涙ながらに言ってきた
会社の友人から俺を紹介され、俺と食事に行き、付き合い、結婚した
自分の両親は他界していて、『俺が一生お前の家族になる』とプロポーズしてくれたと
何度も父とAから『本当に覚えていないのか』と言われた
でも俺には、まったく覚えがなかった
1年前と言えば、確かに仕事が凄まじく忙しかった
会社のプロジェクトの企画を任され、ほぼ徹夜続きの毎日だった
だけど、だからこそ、そんな時期に結婚なんて出来るはずがなかった
でも、結婚式の写真には、俺の職場の上司や同僚、地元の友達まで映ってた
ドッキリにしては写真の完成度が高いし、大掛かり過ぎる
何より、堅物だった俺の父がこんなリアルな演技なんて出来るはずもない

なんか急に怖くなってきた
両親が両親じゃないように感じてきた
そして俺が俺じゃないように感じてきた
俺は実家を急いで飛び出し、自分のアパートに戻った
だけど両親は俺のアパートを知っているから、最低限の荷物を持って近くのビジネスホテルに逃げ込んだ
その間も俺の携帯は鳴りっぱなしだった。

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