2024/06/08
Aは俺に気付いたようだった。
Aは結婚していて、このサークルに奥さんと参加していた。
奥さんは姉さん女房らしく、フォーリンラブのバービーに似ていた。
バービーに出身を聞かれたので答えたら
「じゃあA君と高校同じ?同級生?うそー!」
ってバービーのテンションが上がった。
テンションが上がってはしゃぐとますますバービーそっくりだった。
Aは何かごにょごにょと煮え切らない受け答えをしていた。
高校で俺にしていたことに対して多少なり罪悪感があるみたいだった。
大学生活が本当に充実してて楽しかったので
高校の事なんてもうどうでもよかったんだけど、
後ろめたそうなAを見てたら復讐とまではいかないけど
ちょっとからかってやろうと思い立った。
「でも俺、不思議なんですけど高校の記憶がほっとんど無いんっすよ、
びっくりするくらい何も覚えてなくて。
多分よっぽど受験勉強キツかったんっすかねwww」
って、記憶が飛んでるふりをした。
サイコな奴と思われたら心外なので
「大学とか今の仕事がすごく忙しかったから忘れたのかもwww」
みたいな事を冗談めかして付け足した。
バービーは最初は「うそー!」とか言ってたけど、
何度もやりとりするうちに俺が本当に何も覚えてないんだと思い込んだようだった。
バービーが「ちょっとA君、俺君のこと何か知らないの?」とか聞くと
Aは「いや・・・」とか「クラスが違って・・・」とかごにょごにょ言ってた。
その後、Aが腫れ物を触るような感じで恐る恐る
「マジで何も覚えてないのか?」
って聞いてきたので、