2024/06/08
嫁
「もしもし?社長か?沙織ですがー。」
DQN
「ちょ…やべぇ…どうしよう…。」
俺は、嫁はこのDQN二人の事を社長にチクって謝らせる気かな?
と思っていた。
やりすぎだろうと思ったけど。
ちょっとDQNが可哀想になった。
嫁
「社長の所にさ、若いあんちゃん二人いるだろ?
そーそー、金髪の。
そーそー、おぉそうなんだwwワハハww」
嫁
「いやね、私今その二人といるんだけどねw
おー全然だーw
威勢の良い若者じゃねーのww
よかったじゃんwそっかーwww
この二人の事よろしく頼むわー!
おー!じゃーねー!」
ピッ。
DQN
「あ、あの…。
嫁
「っつーわけだ。お前らの事なんか別にどうなろうがどうでもいい。
でもな、あんまり自分らの親方を悲しませるようなバカな真似は辞めろよ?
親方はな、私と同じ年の息子がいたんだけど、高校生の時に事故で死んだんだ。」
DQN
「え、そうなんすか!?」
嫁
「そうだ。ちょうどお前らみたく無茶な運転をする友達の車に乗ってて事故って即死したんだぞ。」
DQN
「…。」
嫁
「親方はな、本当は息子と仕事したかったんだよ。
でもな、死んだら出来ないだろ?
当たり前だよな?
親方にとっては、お前らは息子みてーなもんだ。
その息子達がな、また車で事故って死んだらどう思うよ?」
嫁
「絶対嫌だろ?
そりゃな、車に乗って突っ走りたい気持ちもわかるよ。
でもな、もう社会人になって
仕事してる以上、自分を思ってくれる人を
裏切る真似だけはすんなよ?
社長だって、お前らの事可愛いんだぞ?
わかったか?」
DQN
「は、はい…。わかりました。
どうもすみませんでした。」
DQN二人はいつのまにか泣いていた。
泣き顔をみると、まだやっぱ子供だなーとおもった。
嫁
「ほら、うちの旦那にも謝って。
それから車にタバコおしつけた後は
このタオルで一応拭いとけ。
私はちょっとコンビニ寄ってくるからな?」
DQN
「うっす、わかりました。
旦那さん、すいませんでした。」
DQNは頭を下げると
タオルで俺の車を吹き始めた。
とくに傷もついてなかったし
別に良かったんだが
まぁ、嫁なりに考えたんだろうな。
車を拭いてすぐに
嫁がコンビニから帰ってきた。
嫁の手にはコーヒーが握ってあった。
嫁
「ほら、小僧達、コーヒーでも飲みな。
あんまり悪さしねーうちに家に帰るんだぞ?」
DQN
「あ、ありがとうございます!!
あの、姉さん、どうもありがとうございました!!」
嫁
「おう!何かあったらいつでも連絡寄越せよ。
連絡先は社長が知ってるからな。
今度、社長と飲む約束してるから
小僧たちも来いよ?ニコニコ」
DQN
「わかりましたぁ!また今度!失礼しますぅ!」
そういってDQN達は車に乗って帰っていった。
嫁もすっかりビールの酔いがさめたようで
コンビニの袋からチューハイ取り出すと
また助手席でゴクゴク飲んでた。