その時はこの前と違い犯人達は抵抗し、路地裏までもつれこみ、俺の視界から完全に死角になっていた。
その後も、怒声が聞こえたがすぐに止み、路地裏から車が猛スピードで飛び出して行った。
俺はその後、すぐに服を着て外へ出た。
現場にはパジャマ姿の野次馬がたくさんいたが、向かいの人はいなかった。
隣人の女性Aから話を聞くと、どうも向かいの人は犯人に連れてかれたとの事。
それを聞いて俺は背筋が凍りつくような思いがした。
すぐに警察が駆けつけ、事情聴取を受けた。
幸い車のナンバーは見ている人がいて、すぐに犯人の家が特定され、御用となったが…
誘拐された向かいの人はすでに殺されていた…
後に向かいの人の同居人の話によると、犯人はあの時向かいの人に追い払われたのを根に持っていて、おとりの女性を使ってまでして誘きよせたそうだ。
もしあの時俺が先に助けに行ってたら、殺されていたかもしれない。