2024/06/08
今日は仕事の予定だったが、休む事にした。
嫁と子はベッドで寝てる。
義母は隣の部屋のソファベッドで寝てる筈だ。
昨晩、飯食ってから帰宅した。
帰宅したら嫁と子と義母がいた。
最悪の気分だった。
今更何しにきやがった、離婚チラつかされてATMのご機嫌取りか、今更お前らなんぞに愛も情も無い、金が欲しいならくれてやるからサッサと離婚してくれ、嫁の顔も子の顔も見たくない、みたいな事を嫁に向かってまくしたてた。
義母にも毎度毎度ご意見番よろしく無闇に何処にでも顔を出しやがってふざけるな、手前に至っては顔も見たくないし、声も聞きたくない、近くで息すらしたくない、とっとと出て行け、みたいな事を喚いたと思う。
すると嫁と義母が泣きながらごめんなさいと謝った。
嫁は土下座して何やかや言いながら謝ってたが、俺はキレてぎゃーぎゃー喚き散らして聞かなかった。
子がギャン泣きして、義母がそれをあやしているのに向かって、お前らを見てると心底苛つく、頼むから消えてくれと言ったら、嫁が土下座のまま『お母さん、ごめん、席を外して』と言って、義母と子は寝室に消えた。
何であんな奴連れてきたとか文句言ってたら、嫁が急に立ち上がり、見て欲しいモノがあると言い始めた。
嫁はボロボロ泣きながら俺の方を真っ直ぐ見てたが、ブルブル震えて何というかもう死んじまいそうな顔をしてた。
俺は、ああ男が別にいるのかと思ったよ。
もうどうって事無いと思ってた筈なのに、顔面から血の気が引くのが分かったよ。
そしたら嫁はいきなりシャツを脱いで、ブラを取った。
胸を手で隠して、物凄く緊張した感じで『見て下さい』と言った。
それで手をはなした。
嫁は左のち〇びが無くなってた。
右の乳房は普通だったが、左の乳房には本来あるべき輪とち〇びが無くて、そこは他の部分と同じ肌色だった。
俺が言ってる事、分かるかな?
文章の才能が無いから上手く説明出来ん。
要は、本来ち〇びやら輪がある所が普通の肌色の皮膚になってて、ち〇びの突起も無い、真っ平らな状態だったんだよ。
のっぺらぼうみたいな感じのさ。
あんまり意外だったから意味不明で黙ってボーッとしてしまった。
で、どうしたのかを聞いたら、泣きながら説明してくれた。
・子が産まれて一月したら戻ってくるつもりだった
・子の1ヶ月検診を受けに行った時、乳癌検診を一緒にした
・そしたら左の乳癌が見つかった
・詳しくは分からんがち〇びも駄目で、皮膚も癌細胞が残ってるかもしれなくて、全部摘出しないと駄目だと分かった
・胸が無くなると思ったら物凄いショックだった
・胸が無くなったら俺に嫌われると思った(俺は確かに結婚前から胸星人を自認して嫁にも言ってたし、嫁の胸が大好きだった)
・乳房を全部摘出して、それから人工的に乳房とち〇びを再現する事にした
・本来なら俺にもちゃんと話をするべきだったが、隠してしまった
・手術自体は問題無く終わり、数日で退院した
・乳房を元に戻すのは半年掛かった
・ち〇びを元に戻すのに、右のち〇びを移植する方法を選択するつもりだった
・でも、授乳期間中で直ぐに移植するという選択が出来なかった
・どうしたら良いか分からず、ズルズルと時間だけが過ぎていってしまった
・俺が明らかに不満を表すようになり、急がないとと思った
・ち〇び再現の手術の為、その間、義母に子を頼む予定だったが、義母も体調を崩していた為、一時保育を利用する予定だった(俺が電話した時に保育園がどうのこうのと義母が後ろで言ってたのはその事だったらしい)
・急に俺がキレて離婚だと言い始めたのでもう隠せないと思った
・子と俺を引き離してしまったのは本当に申し訳無い。そんなつもりは一切無く、ただただ胸の事を隠したい一心だったが、取り返しのつかない事をしたと思ってる
・他の男とかは一切無い
・ATMだと思った事も一切無い
・一緒に暮らしたい
・義母にも嫌な役目を押し付けてしまって申し訳ない
目の前でエグエグ泣いてる嫁に、知った事か、今更言ってきてももう遅い、サッサと消えろとは言えなかった。
けど、よくありがちな抱きしめてこれから一緒にやっていこう的な事も言えなかった。
そうか、ぐらいの事は言ったと思う。
それを聞いて、嫁や子に対する愛情が一気に復活はしなかった。
嫁はずっと泣いてたから、もう泣くなとか言って泣き止むまで一緒に座ってた。
嫁は落ち着くと義母を呼びに行き、義母と一緒にリビングに戻ってきた。
俺は事情を聞いたことを説明して、失礼な事を言いたい放題にブチまけた事を嫁と義母に謝った。
嫁と義母も謝りっぱなしだった。
この先どうするかは俺に全部一任すると言われた。
どうしても離婚したいなら離婚も受け入れると。
でも、出来る事なら家族一緒にこれから先やり直したいと言っていた。
その場で直ぐどうこうって話は出来なかった。
そういう雰囲気じゃなかったし、熱く抱きしめてって気にもならなかった。
ただ、馬鹿な女に、馬鹿な一族だなと思った。
こいつ(嫁)の親父は何してるんだと思って腹が立った。
ハナから俺に打ち明けてくれりゃここまで大事にならなかったのに。
疲れたし、風呂にも入りたかった。
なので、もう今日はこれくらいにしようと言って、話を終わりにした。
嫁と義母は飯を食ってなかったので、ピザ屋に電話してピザを持ってきてもらった。
んで、風呂入って寝た。
で、起きて、これを書いてる。
もうどうすりゃ良いのか分からん。
今日は何をするというわけでもないんだけど、会社を休む事にして休暇メールを打った。
義母はもう起きたみたいで、キッチンでゴソゴソしてる音がする。
嫁と子は寝てる。