2024/06/08
「俺君おかえり・・・。」
何かに怯えているような声で嫁が答えた。
嫁の右手にはハエ叩きが握られている。
俺は何があったのかを聞いたら
「部屋の中に大きな蜘蛛が居る。多分オーディオラックの陰に隠れた。」
と言った。
「ハァ?大きな蜘蛛?そんなもん俺が追い出してやる。」
とホウキを手にとってラックの隙間を突いた瞬間、
「うおわっ!?」
予想を超える大きさの掌大の蜘蛛が出て来て思わず俺は逃げてしまった。
その直後、
「キャーーーーーーーーーーーッ!」
「バッチーン!」
「ガサガサガサガサガサガサ」
「ダダダダダダダダダダダダ」
「ガチャッ」
「ザーーーーー」
そして嫁が呆然としながらトイレからリビングに帰って来た。
本当に一瞬の出来事だった。
俺が逃げた後、蜘蛛が嫁に向かってきたらしく反射的にハエ叩きで撃破。
ティッシュをこれでもかってくらい出して蜘蛛を掴み、すかさずトイレに流したらしい。
嫁、男前だ。