2024/06/08
ここから来客の女性…A先生とA母がまくしたてるように話し出した。
A先生は次男の中学時代の部活の副顧問で、当時はまだ新卒だった。
次男の卒業後、A先生妊娠。
なんとかごまかしつつ、夏休みに退職して帰郷。
すでに堕胎時期を過ぎていて、父親が誰かは言わないまま出産。
ところがA先生、子供の世話などまるでしないで遊び歩き、母親に世話を丸投げ。
疲れ切った母親がキレて、子供と一緒に出て行くか、子供を子供の父親に渡せと迫った。
それでA先生が父親の住所と名前を白状して、やってきたら赤ん坊と同じ顔した俺がいたわけ。
ぽかんとした姉夫婦と俺。でも義兄は俺と次男の顔を交互に見て、A先生に
「この子の父親は誰ですか」と尋ねた。
A先生、俺の事を指さしたよ…。
「それでこの子、何か月ですか」と義兄が続けて尋ねた。
赤ん坊、もうすぐ六カ月。
それを聞いて俺はほっとした。姉夫婦もため息ついた。俺は去年、長期出張で海外に出て、
なんだかんだで一年ほどほとんど日本にいなかった。
何度か帰国はしたんだけど、本社と行き来しただけで実家には戻ってない。
義兄がA先生に俺の名前を聞いたけど、当然答えられない。
姉が俺は自分の弟で、妊娠時期は海外にいた事を告げると、今度はA母がA先生に詰め寄った。
すると今度はA先生、本当は父親は姉夫婦の長男が父親だと言い始めた。
仕方なく、長男のバイト先に連絡して帰宅してもらった。
わけもわからず帰宅した長男、A先生の顔を見てビックリしていた。A先生の方は満面の笑み。
すごいよね。顔がぱーっと明るくなって、今までとまるで表情が違う。突然乙女モード全開。
もしかして、本当に長男が父親か?と一瞬思ったけど、そんなわけがない。
「え、あの、A先輩、どうしてここに?」と動揺する長男。そして赤ん坊を見て、さらに困惑。