トメが荷物と一緒に押し掛けてきて「しばらくここに住むわ」と言い出した…

私はウトと正式に雇用の計画をした。
仕事の内容はまあ家政婦だけど、そこそこのお給料はしっかりつけてもらえた。
部屋も大トメが使っていた離れを貸してもらったので、敷地内に仕事に通う感じ。
別にウトは食事にうるさいわけでもなく、潔癖性なわけでもない。普通レベルの家事していれば文句ナシ。
むしろ「金がトメの時の半分なんだけど…あいつ、普段何買ってたんだ…」と呆れてた。
同時にトメは放り出してた町内会に参加。若い(周りに比べれば)ので、力仕事を積極的にこなす。
最初は奇異の目で見られたけど、事情を知ったおばさん達は一斉にこっちの味方になった。
トメのストーカーぶりが既に噂になってたのもあったけど。
そして先日。トメ憧れの君は定年を迎え、娘さんが住むという遠方へ引っ越していった。
なんてことない、奥さんは一足先に出発して娘さんのお産を手伝っていただけ。

事実を知ったトメ「裏切られた！」と大爆発。
それから毎日毎日エネ夫から泣き落しの電話がかかってくるようになった。
「やり直したいんだ」
「母さんもそっち帰りたいって言ってるし」
「いい加減にしてくれよ」
「じゃ、トメさんこっち来たら帰るから」そう言うと、黙って電話をきる。
ウトさんに電話のこと伝えると「無理だろ、今更帰れないだろうな」と一言。