2024/06/08
「家で介護されるのがトメには一番幸せなはず」というのがその理由だった。
よくいうよ。
夫はなにもしなかったくせに。
介護経験も知識もないコトメや私が、
ほぼ同じ体格のトメの入浴介助をするのは大変だった。
歩くのを支えるのだって大変だった。
コトメが日中我が家に来てトメの介護を
していたから、コトメ家の家事は滞っていたのに、
コトメ夫は文句ひとつ言わなかったそうだ。
コトメコもお婆ちゃんのためだからと、
家事を手伝ったりしていたそうだ。
夫は私が料理をしている最中でも
私を呼びつけてトメのトイレ介助をさせた。
トメはトイレまで支えて歩かせたら、
あとはきちんと自分でできたのに。
「あんたは何もしないでしょう?
大体施設に行きたいと言うのはお母さんの希望なんだよ」
という私の言葉に返ってきたのは、
「そんなことに無駄金を使う必要はないんだ。
遺産が減るだろ」という夫の言葉だった。
その場に居た皆言葉を失った。
夫も失言に気付いたみたいだったけど止まらなかった。
嫁と姉が介護すればウト遺産がまるまる残る、
介護施設なんて金を吸い上げる悪徳ばかり・・・
夫の暴言は止まらなかった。
気がついたらトメがぼろぼろ泣いていて、
コトメ夫が夫に掴みかかってた。