2024/06/08
その子が玄関に入ってきて、俺がその子を一目見っとき、あ、・・・(察し)
ダウン症だった。
俺は驚くより、なるほどなあと妙に納得してしまって、特に疑問も持たずに家の中に通そうとした。
しかし、ここでばあちゃんが激怒。
白痴を連れてくるとは何事かと喚き散らして親戚親子を追い返してしまった。
俺は慌てて親戚親子を追いかけてフォロー。
ばあちゃんの感覚だと相手が非常識なんだろうけど、今の御時世差別主義者のレッテル貼られたら生きていけないからね。とにかく必死でフォローした。
そしたらダウン症の子が
「いいんです。私、わかってましたから」
と無表情で答えた。
俺はここでノックアウト。
申し訳無さが爆発して不覚にも泣いてしまった。
ていうか、ダウン症と知的障害が必ずしも併発するわけでわ無いことをこの時初めて知った。
道端で泣きながら謝る俺に同情したのか、親戚親子は俺を許してくれて、親戚づきあいに支障をきたすことはなかった。
実はこの子とは今でも連絡を取ってる。
これがきっかけで電話したりLINEするようになって、ばあちゃんには内緒でお出かけに連れてったこともある。
恋愛関係とかに発展することはないが、俺にとっては貴重な異性の友だちだ。
ヘルパーさんの娘さん
遠縁の子事件があってから、ばあちゃんはしばらく鳴りを潜めていたけど、介護のヘルパーさんが来るようになってから、また悪い癖が出始めた。
90近いばあちゃんを介護してるのが60過ぎたヘルパーさんというのもこの国の末期症状を表しているが、とにかく、このヘルパーさんの娘さんが嫁き遅れて困っているという話を聞いたらしい。
そこでばあちゃん、性懲りもなく俺を推したみたい。
ヘルパーさんも乗り気になって、二人の間で勝手に話はトントン拍子で進み、俺はある日突然今週末お見合いだとばあちゃんに宣言された。
当日、いつぞや使ったことのある割烹の一室で娘さんを待っていると、来たぜ・・・こいつは大物だ!
その娘さんは、立てば枇杷樽、座れば鏡餅、歩く姿はガンタンクだった。
そのガンタンクは、お見合いが始まるやいなや、いきなり無言でタバコをすぱーっ!
ふぅ、と一息つくと、
「んで?」
と言い放った。
いや、その・・・んで?と言われても・・・
とシドロモドロになっていると、ガンタンクの主砲が炸裂。
「年収は?」「その顔で彼女いた事あるの?」「私主婦希望だから」
直撃を受けた俺は反撃の機会もなく撃墜。
年齢も聞くこと無くお帰りいただいた。
多分30半ばだったけど・・・そりゃ結婚できないわけだわw
お断りする時、ばあちゃんとヘルパーさんの間で少しもめたらしいけど、さすがにそんなことは知らんので俺はガン無視して話も聞かなかった。