2024/06/08
俺達は駐車場に出た。
屋上だったので夜風は気持ちいいだろうと考えたからだ。
屋上に出た瞬間に
「ねえ、どうして彼が私と結婚したか知ってる?」と彼女が聞いてきた。
「さあ?…好き、だったから?」俺は素直に答えると、
彼女は笑って答えた「そう大好きだったのよ……お金が」
やっぱり、俺の嫌な予感が的中した。
彼女は知っていたんだ。
彼が酷い人間だということを。
タヒんだ友達は私の両親が金持ちだってこと知っていたらしい。
つまり、遺産目当て。
親がタヒんでもよし、嫁がタヒんでもよし。
金が好きな彼にとって、最善の選択肢だったらしい。
だが結果、先にタヒんだのは彼だった。
「ざまあみろ」彼女の口から、その言葉を聞いた瞬間に、完全に彼を友達と思うことをやめた。
故人を責める気にはなれない。
だけど、「友達ごっこ」その時にやめた。
どうして俺にそんなことを言うのかと
「私と付き合ってくれない?」という返事がとんできた。
「冷静になれって」俺はそんな言葉をかけるが、
彼女は俺に対する気持ちをまげなかった。
今まで酷い男はたくさんみてきた。
彼も、彼の周りにいる人間もそうだった。
けど、俺は違った。高校の時から優しくて、
俺は周りの人間とは違うと言われた。
その時にはっきりと断ればよかったんだけど、俺は押しに弱く
「分かった。けど、今はさすがに周りの目とかあるから」
と言ってしまった。
結局、俺は彼女と付き合うことになった。
その関係は今でも続いてる。
彼女が今まで受けてきたボウリョクの跡は、もうない。