2024/06/08
俺は彼が亡くなってから、彼の子供達のことを気にかけるようにしていた。
ちょくちょく子供達の家に行き、誕生日やクリスマス等にはプレゼントを渡したりもした。
子供達には君たちのお父さんからだよ。天国から送られてきたんだよと言いながら。
彼の元嫁(面倒なんで以後A)はなんとか職を見つけ、働いていた。
とはいえ、子供2人抱えながらなので、そんなに収入は多くないようだった。
それでも子供達に辛い思いだけはさせたくないと、自分の物は殆ど買わず
子供達に必要な物を買っていた。
俺は正直、彼を追い込んだAを許す気が無かった。
子供達がいない時、酷いことを言ったこともあった。
貧しいふりをしているが、実際は彼の遺した遺産を遣い込んでいるんだろうと思っていた。
彼が望んだのでAと子供達を離すことも出来ず、やりきれない思いだった。
ある日、Aから頼まれた。
上の子のランドセルを一緒に買いに行ってくれないかと。
ランドセルや勉強机とかは俺が買ってやるつもりだったが、断られた。
それは、本当に父からのプレゼントとして買ってあげたいということだった。