2024/06/08
「どうして親にあんなこと言うの!結婚は私とあなたの問題じゃない!」
初対面というか、あったこともない女の絶叫が突然響いた。
どうやら、両親に教授が電話したことを知っているらしい。
「僕は君とあったことはない」
「嘘よ!何度もあっているわ!私のことを『愛している!』って言ったじゃない」
「言っていない」
教授と俺が、無言で、落ち着くように言った。
別の教授がスケッチブックとマジックをすぐに取りだした。筆談と言うか、カンぺが出せるように。
その間にも、書類上の新婦はヒステリックな声をあげていた。
別の教授は「ICレコーダーを取りにいってくる」と小声で言って、会議室から自分の研究室へ戻っていった。