2024/06/08
電話が切れて、新郎は放心状態だった。全員が言葉なくその場で見つめあった。
まずはゼミの教授が「もしかしたら、新婦に危害が加わるかもしれない」との事で、明日の昼間にかけるはずだった電話をすぐに新婦にかけた。
教授の説明は、たった今起きたことまで全て説明するのに、30分近くかかった。
みんなが無言で、教授が新婦に説明する様子を聞いていた。
というか、教授たちも放心状態だった。
時刻が12時になるぐらいに解散になった。
教授たちからは新郎に
「君のことを疑っているわけではないが、本当に面識がないか思い出してくれ」
とお願いがあったが、新郎は無気力に「はい」とだけ返事した。
解散して、2人で駐車場に向かっている途中で本物の新婦から新郎に電話があった。
新郎は車の横で泣き崩れた。