おはなしカフェ

ある日、玄関の取っ手部分に異臭を放つ袋が下がっていた…

time 2022/12/29

ある日、玄関の取っ手部分に異臭を放つ袋が下がっていた…

登場人物
私子
K助…彼氏
Y太…大学の同級生。私子・K助の友達

K助と私は、大学生のころからの付き合いで、交際4年目。
K助は在学当時からずっと私にプロポーズをしてくれていました。
私はもともとあまり結婚願望がなかったのですが、4年間K助の誠実さと一途さ、情の深さを身近で見続け、
しだいに「この人となら」と思うようになっていきました。
もともとの性格の違いから喧嘩も多かったけど、
K助はいつでも私を好きでいてくれました。本当に幸せな4年間でした。

そんなこんなでその年のクリスマス、K助はいつものように私にプロポーズをしました。
「いつものように」というのは、K助は私と付き合い出してからずっと、
お互いの誕生日やクリスマスなどのイベントがある日には、決まって「結婚しような」
という言葉を添えてくれていたから。その年のクリスマスも同じでした。
あ、ちなみに当時は、私もK助も25歳でした。
「もう聞き飽きたと思うけど、結婚しよう。愛してる。これからもずっと愛してる。一生かけて守ります」
K助のプロポーズはいつも同じ台詞でした。4年間、何度も何度も聞いた台詞です。
聞くたびにその言葉の重さが重くなっていくように感じていました。

結局、そのときのプロポーズはいつものように笑って流したのですが、私は心ひそかに
「K助が次にプロポーズをしてくれたときは、受け入れよう!」と決めました。
またプロポーズしてくれるって疑ってなかったんですね。今思うとちょっと馬鹿みたいですが、
それだけ自分たちの愛情を信じきっていました。

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