おはなしカフェ

ある日、玄関の取っ手部分に異臭を放つ袋が下がっていた…

time 2022/12/29

ある日、玄関の取っ手部分に異臭を放つ袋が下がっていた…

741: 702 2009/01/16(金) 17:16:38 ID:l6dqWWzlO
私の話を聞いたあと、Y太はじっと考えていましたが、
しばらくすると顔を上げて一言「わかった」と言いました。
何が「わかった」なのかわからず、困惑していると、Y太は「また連絡
するから。今日俺に会ったことは絶対に誰にも言うな」とだけ言って
席を立ちました。
私は何が何だかわからず、呆然とY太の後ろ姿を見送りました。

そして、その日から3日と待たず、およそ2ヶ月にわたった嫌がらせが
ぴたりとやみました。始まりも突然なら終わりもまた突然でした。
K助は手放しに喜び、「辛かったな」と私を抱きしめ、まだ
不安そうな顔をしている私に「また何があっても俺が守るから」と
言ってくれました。

748: 702 2009/01/16(金) 17:21:36 ID:l6dqWWzlO
実は始めのうち、私はK助の浮気を疑っていたのです。
この嫌がらせは、K助の浮気相手が彼女である私を逆恨みして
やっているのだろうと。私はK助に裏切られたのかもしれないと。
しかし、嫌がらせの中でK助との別れを要求するような内容のものは
ありませんでしたし、何よりこの2ヶ月間、K助は怯える私のために
必死で仕事を早く終わらせ、毎日のように私といる時間を作って、
なかなか寝付けない私が寝るまで優しい言葉をかけてくれました。
K助の抱える疲労とストレスも、私に負けず劣らず重いものだったはずです。
辛い2ヶ月ではありましたが、私たちは別れるどころか、
より愛情と信頼を深めたように思えました。
実際この頃には、私はK助と早く結婚したいとまで思うようになっていたのです。

759: 702 2009/01/16(金) 17:29:44 ID:l6dqWWzlO
嫌がらせがやんでから1週間、Y太から連絡がきました。
実はこの1週間、Y太に連絡をとろうと(このタイミングで嫌がらせが
やんだのは、Y太が関係しているだろうと思ったので)していたのですが、
何度電話やメールをしても、Y太には繋がりませんでした。
久しぶりに連絡をくれたY太は、開口一番「この前話した件で話がある。
明日の○時に~~へ来てくれ」と言いました。それ以外はなんの説明もなく、
私は突然のことに少々驚いてしまったのですが、嫌がらせの件と
言われれば行くしかありません。
次の日、仕事を終えた私はY太に指定されたお店へ向かいました。

先に着いていたY太の隣にら、若い女の子が座っていました。
私よりも少し年下でしょう。私は咄嗟に「この子が犯人なんだ」と思い、
記憶を探ってみたのですが、どう考えても見たことがない子です。
その子は泣いていたようで、お化粧が落ちてどろどろになっていました。
それでも紛うことのない美人さんです。「何でこんな子が…」と
私は余計に混乱してしまいました。
Y太は私が席につくと、私が何も言わないうちからがばっと頭を下げ、
「すまん!!」と叫びました。

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