おはなしカフェ

ある日、玄関の取っ手部分に異臭を放つ袋が下がっていた…

time 2022/12/29

ある日、玄関の取っ手部分に異臭を放つ袋が下がっていた…

そして、クリスマスのプロポーズから数ヶ月後のことです。
それは突然やってきました。

ある日の朝、いつものように仕事に出ようと一人暮らしのアパートの部屋を出ると、ドアの取っ手の
部分に覚えのない白いビニール袋がぶらさがっていました。
回覧板?いや、そんなもの一度も回ってきたことないし…。大家さんから届けものかな?いやいy(ry
何せ初めてのことだったので不気味に思いましたが、
とりあえず中を確認しないことには対処のしようがありません。
そっとビニール袋を取り上げ、手元に持ってきた瞬間、鼻をつく強烈な悪臭が。
腐った水のような、それでいてどこか生臭いような臭いでした。恐る恐るビニールの持ち手の結び目を解くと、
その臭いはより強力になり、目に涙が浮かぶのがわかりました。
それでもなんとか中身を確認しようと袋を覗いた私の目に飛び込んできたのは、小さめの赤黒い物体。
ぐちゃぐちゃにつぶされた動物の死骸でした。
あまりよく見なかったのではっきりとはわからないのですが、おそらくネズミか何か
だったと思います。
袋の側面にこびりついた汚れがその動物の目玉であると認識した瞬間、私は悲鳴をあげて
その袋をほうり捨ててしまいました。

708: 恋人は名無しさん 2009/01/16(金) 16:45:59 ID:hJ7MTBmQ0
うえー、気持ち悪い・・・

支援。

711: 702 2009/01/16(金) 16:47:19 ID:l6dqWWzlO
始末しなければとは思ったのですが、そのときは恐怖でまともに打ち捨てられた
その袋を見ることが出来ず、そのまま逃げるようにして会社へ向かいました。
どうやって会社に行ったのか思い出せません。
会社へつくと、私の顔を見た人は皆「どうしたの?」と聞いてきました。
ひどい顔色だったようです。実際、その日は仕事にならず、生きた心地がしませんでした。
パソコンの画面を眺めているときも、お昼ごはんを食べているときも、
同僚と仕事の話をしているときも、常に頭の中では今朝見たぐちゃぐちゃの動物の死骸と、
「なんで私に?誰が?どうして?」という言葉がぐるぐる回っていました。

休み時間、たえきれずK助に電話でその話をしました。動揺しまくっている私の話を聞いた彼は
とても心配し、帰り道は迎えにきてくれました。アパートに着くと、ビニール袋は今朝私が捨てた
ままの形でそこにあり、結局、その死骸は彼が埋めてくれて、その日は彼と一緒に眠りました。
心当たりはないけれど、誰かの恨みを買ったのかもしれないと怯える私を、
K助は辛抱強く慰めてくれました。「もう大丈夫だよ」「俺が守るから」と何度も繰り返し、
その言葉を聞いて、私もようやく眠りにつくことができたのです。

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