2024/06/08
お局様が言うのには、彼男の家庭は壊れかけていて彼男は家の中に居場所がないらしい。
本当は離婚したいのだけど、なかなか奥さんが離婚届に判を押してくれない。
「私子ちゃんに言わなかったってことは、私子ちゃんと一緒になりたいんだと思うよ」
私子は、お局様から聞いたこと(彼男が既婚者)が頭をぐるぐる回っていて、
もう何が何だかわけがわからなくなってた。
「あ、あの。私帰ります」
「うん、わかった。でも彼男さんとよく話してね。
毎日駐車場の隅で待ってるのも、あんまり外聞がよくないし」
「はい」
呆然としながら駐車場に行き彼男の車に乗り、家まで帰った。
この頃はもう半同棲に近い形で、私子の住んでいたワンルームのマンションに
彼男が夜だけ泊まるような形で、マンションの駐車場も2ヶ月前から借りていた。
部屋に戻ってすぐに彼男に問いただした。
「彼男さん、奥さんも子どもさんもいるの?」
「……うん、いる」
「何で、何で嘘ついたの!」
私子は彼男があっさり認めたのが腹立たしくて、
同時に情けなくて思わず泣いてしまった。
「何で!」
私子が泣いたから驚いたみたいで、
「別れるから。お前だけだから!」
そう言って、彼男は色々自分の家庭のことを私子に話してくれた。
修復不可能であること、その原因、
実際お局様が言ったように家の中に居場所がないこと。その他諸々。
469: 恋人は名無しさん 2010/09/19(日) 09:08:23 ID:8ZkDmsjC0
今現在の私なら「アホかーーー!」と蹴り倒すような言い訳だけど、
20才の私子はとても馬鹿だったので、彼男に同情してしまった。
何より、それまでの彼男が本当に私子に優しかったことと、
「妻と別れて私子と結婚したい」に目が眩んだ。
でも彼男はその頃から徐々に変わっていった。