2024/06/08
五年前、学生時代の体験。
深夜、暗い田舎道を車で走っていると、急にエンジンが停まってしまった。
俺はあまり車に詳しくないので、JAF を呼び車内で待っていた。
しばらくすると、正面の道から強烈な光が近寄ってきた。
もう来てくれたのか、早いなあと思ったがよく見ると様子がおかしい。
光は俺の車前方50メートルほどで止まり、そのまま動かない。
ヘッドライトのように2つに別れておらず、光源はどうやら1つのよう。
その光量は半端じゃなく、光源と俺の車の一直線上だけがまるで昼間のようだった。
少し不安に思ったが、とりあえず近づいてみると、向こうからも人が近づいて来るのが見えた。
三人。
後光が強すぎて何者かわからなかったが、近づくにつれ見えてきた。
三人とも背が高く、2メートルはあったかと思う。
線が細く、馬面というか、顔が長い。
顔立ちや髪形は子細は異なるものの、よく似ていた。
服装はシャツやポロシャツ、ジーンズにチノパン、まあ普通だがどこか古臭い雰囲気がある。
1人が話しかけてきた。
どことなくイントネーションが標準語とは異なり、聞き取りづらかったが、どこから来た?困っているんだな、直してやるみたいなことを言う。
直感的に怪しく感じ、いや、JAF 呼んだから大丈夫ですと答えたが、いや、俺たちが直してやる、としつこい。
次第にこっちの車に乗れ、とかお前のはもうだめだ、話がずれてきた。
このあたりで何故か俺の思考が曖昧になってきて、ああ、助けてくれるならついていくのもいいかな
と思い始めてきた。
聞かれるがままに俺の自己紹介などしながら三人と光に向かって歩いていくと、突然携帯が鳴った。
JAF からだった。
近くまできたと思うのだが、詳しい場所を教えてくれという内容だった。
その電話で我に帰り、三人の申し出を断ると、三人は怒りだし、早口でよく聞き取れないことをわめき始めた。
俺の好意を無駄にするのか、とか早く来ないと間に合わないとか言っていた気がする。
俺は三人を振りほどき、車内に戻った。
三人は車外でしばらく何か訴えていたが…