2024/06/08
昔勤めてた職場の同僚の話ですが。
当時いた部署は百人以上いる大所帯で、その中でさらに十数名ずつのチームに分かれてた。
その一つにちょっとしたシステム管理を請け負ってるチームがあったのな。
普段は職場全体で使ってるシステムの維持とか管理とかしてるけど、他のチームの依頼に応じてデータ処理や作成、集計とかもやってた。
で、そのチーム(便宜上、システム班とでも呼ぶが)に、Aという男がいた。
こいつはシステム班でも唯一、特殊な技術(ITとかプログラム関連の資格・技術と思ってくれ)を持ってて、そのおかげで大抵の依頼に引っ張りだこだった。
傍から見てもかなり大変ではあったようだ。
一つの依頼を片づけてもすぐさま別の依頼が舞い込んでくる、みたいな感じで。
それだけなら素直に同情するし尊敬もするんだが、このAという男、とにかく陰険で性格が悪いことでも有名だった。
他のチームが何か依頼するごとに
「どうしてこんなこともできないんですかぁ?」といったり、仕事しながらぶちぶちと
「あの能無し・・・・」と延々呟いてたり。
その癖、課長とか部長には媚を売り、自分がいかに健気に頑張っているかをアピールしてたんで、上司連中には可愛がられてたが同僚間の評判は最悪に近かった。
かように、Aはいかに自分が大変で休む間もないかを上司に訴え続けていたんだが、あるとき入社二年目だか三年目だかの社員(以下、B君)を部下に付けられた。
Aは嬉々としてB君にいくつもの仕事を押し付け始めた。
とはいえ、業務を教育する際にも
「何でこんなこともわからないんだ」
「説明なんていらない、見ればわかるだろ」みたいな感じで、B君はかなり苦労したらしい。
そして…