2024/06/08
彼女にその旨メールすると
「夕飯は七時頃だからその頃に来て」
と返事があった。
俺は七時ちょっと前くらいに彼女の家に着いた。
家には彼女のご両親と彼女がいた。
居間に通されると五人分の夕飯が並んでいてテレビがついていた。
両親と、彼女と、彼女の姉と、俺のぶんと五人だなと思った。
でもまだ彼女の姉が揃わないうちから夕飯がはじまった。
俺が「お姉さんは今日はまだお帰りにならないんですか?」
と目の前の父親に訊くと
父親は「私は他人なんでわかりません」と言う。
俺が「?」と思っていると、彼女が横から
「この人はうちのお父さんじゃなくて、他人だから」とにこにこしながら言った。
俺はなおも「??」と思ったが
向かいにいるお父さんじゃないらしい初老の男性も
照れたようににこにこしている。
152: 恋人は名無しさん 2011/05/28(土) 18:59:06.29 ID:Pw2zXDZ50
わけがわからないので母親の方に
「美人のお姉さんに会ってみたかったです」と愛想笑いしてみた。
そしたら急に母親はバン!と箸を置いて
「そう思うなら、何で真っ先に仏間に行かないんですか!!」
と怒鳴った。ますます「???」な俺。
母親が怒鳴りつづける内容を聞いていると、居間の隣に仏間があって
まず「お線香をあげさせてください」と申し出るのが礼儀だろうということだった。
俺はただ「すいません」と言うしかなく
食事の途中だったが仏壇にお線香をあげさせて下さいと言った。
仏壇には四つ位牌が並んでいた。
彼女の祖父母と、父と、姉だそうだった。
「え?お姉さん?」と訊き返すと「ジサツしたんですよ!」と母親が怒鳴った。
そんなの聞いてない。いつ?と彼女を振りかえったら
彼女がにこにこしながら「小学生のときにジサツしたの」と言った。
その横で何者かもわからんおっさんもにこにこしてた。
俺はなんか気持ち悪くなってきて、
うわぁなんかここに長居したくねぇ~と思いはじめた。