2024/06/08
今日の朝あったはなし。
祖父は車椅子だが庭の花や植木を見たいと、朝方から外に出ていた。
恐らくは、近くの川に散歩しに向かう”犬を見る”と言うのが目的だったと思う。
そんな中で二匹の犬を連れた、30歳前半ぐらいだろうジャージ姿の奥様がやってきた。
祖父の好きなキャバリアだっただけに、祖父は直に手を伸ばし犬を呼んだ。
犬は喜んだような顔で祖父の元へ、もう一匹は奥様の後ろへ隠れた。
オレ「すみませんねー」
奥様「いえいえ、老人に犬を見せるのが、動物を飼っている飼い主の役目ですからー^^」
オレ「ちょ、ちょっと……」
奥様「大丈夫ですよー、老人には聞こえませんって^^」
オレはここら辺で不愉快と言うか、なんか単純に
「嫌な奴」と言う印象を抱いた。
祖父はそれが聞こえてるのか分からないが、近寄ってきた犬を撫でてご満悦な様子。
犬の方も祖父に身体をまかせるなど、かなり人懐こい犬だった。
奥様「まー、この犬がそんなに人に懐くだなんてー」
まるでローラのように口に手を当てて
「( ゚д゚ )マー」と白々しいリアクションを見せる奥様。
流石に祖父も「え?」って感じで奥様を見た。
奥様「この子は元々引き取った犬なんですよ。それも”動物虐待”していた飼い主から。
群馬にもの凄く悪いブリーダーがいてですね、20匹ぐらいの○体の山の中から生きていたのは、5匹。
その中の二匹なんですよー
あっ、だからこの子(隠れたキャバリア)、こうやって怯えてしまってるんですよね……。
今はそうやって、その子も元気にしているけど我が家に来た時は……そりゃね……。
怖がって小屋から全く出て来なくて、大変でしたよー……
でも、そうやって人に懐いている姿を見ると、ああーよかった。って思えます」
そう言う話をしている中、四六時中ニッコニコ、ニコニコ、と。
祖父「そうなのですかー」
そっけなく返事を返し、犬へ
「よしよしよし^^」と撫でる。
それを見て奥様一瞬硬直し「( ゚д゚ )」となってた。
あきらかに悔しいと言った表情だった。
「●●老人ホームで毎週○時からー」と言い
「毎日車で行かなくてはならなく大変ですよw」
「私も●●会に所属していてー」と、笑顔で肩の腕章を見せ、何故か名刺を渡して。
あと有名な愛護団体の会長とのツーショット見せたりしてかなり必死。
祖父「あんたは偉い人だねー」
と返事をするだけで、奥様の顔も見やしない。
奥様は一瞬顔をしかめたと思うと、スマホを取りだし、今の二匹が
『救出された当初の写真(グロイ)』を見せ始める。現場写真も見せる。
それで「この子たちはー!」と熱弁。
奥様「アナタ、この犬は虐待されていたとか聞いて、何も感じないのですか?」
一通り話終えた所で、奥様はギリリと笑いながら祖父へ尋ねた。
すると…