2024/06/08
隣家別居のウト(故人)は、いわゆる空気な人だった。
孫には興味を持ってたみたいで
子守はたまに引き受けてくれたが、
それ以外は本当に空気で、生前の記憶といったら、
年末年始にただ黙々と年賀状の山を作り出しては
「郵便局」と出かけてくいくか、
私の子にしつこく布団蒸しごっこをしかけては私を切れさせてた事くらい。
でも今回の震災で、その印象ががらっと変わった。
震災の時にあわてて探した防災避難用具一式は、
ウトが頻繁に手を入れて常にベストな状態に保っててくれたもの。
ウトが亡くなるちょっと前に
話題になった保温シートとか、
高低差の記された避難専用地図も入ってた。
義実家のタンスや納戸には、
不器用ながらウトの手で耐震対策が施されてたおかげで、
トメは昼寝中に寝室のタンスで押しつぶされることもなく、
飛び散って砕けた食器類で怪我することもなく、無傷で済んだ。
たまたま義実家にいた私と息子も同様。