2024/06/08
兄が夫をね取ったのは夫に横恋慕とかそういうものではなかった。
私は末っ子で兄とは10、姉とは5歳離れている。
兄の動機は「自分が困っていても助けようとしない親が私にだけは昔から甘いのがゆるせない」という小学生みたいな内容だった。
兄は同性愛者だったらしい。私も両親も知らなかった。
一連の発覚も兄が自分で私たちに喋った。
夫婦仲を壊してやろうと思ったのに、壊れなかったのがシャクで暴露に及んだ。
「お前の腹にいるのは男に突っこまれて喜ぶへンタイの子だ」って言われた時、花瓶で殴ってた。
反対に夫は魂が抜けたみたいな状態になって、夫両親に連絡して家に来てもらった。
その間、出血した私は母に連れられて病院。
悪いのは全面的に兄で、こちらは言い逃れなんかできる状態じゃない。
どんなお叱りや罰でもお受けしますってうちの父が土下座したと後から聞かされた。
離婚に至るまで完全に私は蚊帳の外だった。
病院に運び込まれた直後、私はタヒ産すれすれの早産で未熟児を出産。
母子共々生タヒの境をさまよっていた。
意識が戻って、未熟児の男の子と対面したころ両親から両家の間で決まったことを伝えられた。
このとき、兄と関係を持つようになった夫の心境を又聞きで聞かされた
兄は家から叩きだし絶縁。
兄が夫から巻き上げたお金はすべて父が賠償。
向こうの両親の意向で離婚。慰謝料は子供の養育費と相サイ。夫は精神科にかかることに。
嫁さんが悪いわけではないが、孫だとは思えない、いっさい連絡をしないでほしいと舅さんが言ったらしい。
当然そうなるよねって思った。
タヒにかけたせいかタヒのうとは思わなかった。この子をちゃんと育てないとってそっちに頭が向いた。
現実逃避もあるけど、大人の事情なんて泣き喚く赤ちゃんには知ったことじゃなくて、退院してからは正直泣いている暇なんかなかった。離婚届にサインした。
そのあとに弁護士を入れて兄には接触禁止を出してもらったけど、キチガイをそれで抑止できるとも思えなかったから飛行機の距離の遠方に引っ越した。
二番目の夫の前妻さんが言われたことを思い出した。
引っ越す前に一度お姑さんが見えて、赤ちゃんを見て行った。
夫がどうしているのかは教えてもらえなかったけど、ほしいと言われたのでミニアルバムを一冊お渡しした。
引っ越し先の住所とPCのメールアドレスを教えておいた。
母子で生きていくつもりだったけど、「孫はこいつしかいないから、離れるのはさみしい」って言って両親はせっかく軌道にのった弁当屋さんを畳んだ。