2024/06/08
私が二十歳の頃に勤めてたところはガテン系というか技術職のおじさん達ばかりの会社で女性社員は産休間近の事務員さん(30代)のみ。
彼女が産休とるからって急募かけて給料に釣られて入社したのが私だった。
大急ぎで引き継ぎして慣れない事務仕事をする小娘をおじさん社員達は甘やかしはしなかったけれど、可愛いがってくれたと思うし、私も足を引っ張ったり迷惑かけないようにと頑張りながらも毎日が楽しかった。
上司Aが赴任してくるまでは。
Aは本社のお偉いさんの縁故で入社したらしく、初めから役職付きで現場仕事は一切しない。
というか事務所をウロウロしてるうちはまだ良かった。
暇を持て余したAは私をくだらないこと(コンビニでコーヒー買ってこいとか)で顎で使うばかりか、取引先から掛かってきた電話内容を伝えないなどの嫌がらせを始めた。
その尻拭いに残業をしていると
「やっぱり女は使えねーなw」
と鼻で笑い、定時でAは帰るか、珍しく残っているなと思うと
「こんなショボい会社に入るんじゃなかった。俺は頼まれて来てやってんだからな」
と会社の悪口。
そんなストレスMaxの頃に本社と合同の忘年会が行われた。
当日、嫌がらせに年末も関係ないAは、提出期限ぶっちぎりで過ぎた書類を数枚ヒラヒラさせて
「今日中にやっとけよ」
と言い放ち、上機嫌で定時キッチリに上がり会場へ向かった。
その姿を横目に、私は経理や何やらへ頭を下げ、どうにか判をもらい…と走り回っていると、見かねた主任や現場から戻った人達までが一緒に忘年会行こうと言って手伝ってくれた。
一時間遅れで会場へ着くと、既に酔っ払ったAが
「遅刻だぞお前ら!」と怒鳴りつけてきた。
元はといえばAが…と食って掛かろうとする社員を主任が無言で抑え、宴会に参加していると、Aはお得意の、こんなショボい会社云々の悪口を言い始めた。
はじめは黙って聞いていた私だけど
「ま、俺はいつ辞めてやってもいいけど困るだろ?お前ら」
の台詞にカチンときた。
そこで、つい言ってやった。
「…困りませんから」