2024/06/08
893「わかった。したら乗れや!!」と、車に乗れというのだ。
さすがに車に乗せられてしまうと、どこか別の場所に連れて行かれるかもしれない。
そうなっても逃げ場がない。それだけは何としても避けねばいけないと思った。
俺「いえ、本当に歩いてすぐの距離なんです!ほら、あそこ、見えますか?」
893「だからなんだってのよ!おれは歩きたくねぇって言ってんだゴルァ!」
俺「じゃあ、僕が猛ダッシュでお車を先導しますので、着いて来てもらってもいいですか?」
893「。。。てめぇ、そういって逃げるつもりじゃネェだろうな?」
俺「い、いえ!」
893「そうか。。。逃げたら。。。どうなるかわかってるな?」
もう本当にオシ〇コをちびりそうになるくらい背筋が凍り付いていた。
心霊現象や幽霊の怖い話はよく聞くけど、正直、そんなものよりも人間のほうがよっぽど怖いと思った。
俺は、猛ダッシュで交番まで車を先導する。
893の車は見た目こそイカツイが、そこらへんのチンピラの車と違ってものすごく音は静かだ。
それが逆に無音の威圧感となって俺に襲いかかる。
交番に到着して、一足先に中へ入った俺は、大慌てで事の経緯を説明
「あの、この前駅前で札束を拾った○○ですけど落としたのが893だったみたいで、
警察に届けたって言ったら案内しろって言われて、これから入ってきます。。。」
そうこうしているうちに、休む暇もなく、893の方々が3人、交番にドスドスと入って来た。
893「こんばんわ!カネ落としたんですけど、届いてますか?」
彼らの車は2台。残りの方々は車の中で待機している様子。。。
逃げ出すにも逃げ出せねぇ。。。
警察は、大まかな経緯を俺から聞いているが、念のため、もう一度聞き直す。
警察「お金を落としたんですね?詳しくお聞きしてもよろしいですか?」
893「あんな、俺らも時間ないから、早くしてくれやな!」
ここからは少し長いので省略するが、警察は本当に落とし主かどうかを調べるために詳しく質問していた。
駅前で、いつ、どこら辺に、どのような状態で落としたのかを詳しく聞く。
途中から893がだんだん苛立ち始めているのが手に取るようにわかった。
警察「いくらくらい入っていたかお分かりですか?」
893「これくらいの小さめな封筒で、なかに。。。400万円入っていたんだが!」